ダウ平均株価は前日比570・17ドル安の3万7815・92ドルでした。

 

 ダウ平均は大幅反落となりました。この日発表の第1四半期の米雇用コスト指数(ECI)が予想を上回ったことで下げ幅を拡大しました。ECIはFRBが重視している指標ともされており、この結果を受けて米国債利回りも上昇となり、市場はネガティブな反応を示しました。また、月末ということもあり、ポジション調整の売りも出ていた様でした。


 一方、発表になった決算は概ね良好な反応を見せており、決算が良かった銘柄は株価上昇となりました。


  

 個別では、医薬品のイーライリリーが上昇しました。取引開始前に1-3月期決算(第1四半期)を発表し、マンジャロおよびゼップバウンドといったGLP-1製剤が好調でした。

 

 3Mも上昇しました。取引開始前に1-3月期決算(第1四半期)を発表。発表直後は時間外で売りが先行したものの、直ぐに切り返し、上げ幅を拡大しました。同社はヘルスケア部門の分離独立に伴い、これまでの毎年増配の方針を撤回し、減配を表明しました。ただ、スリム化した同社が不安定な財務状況に対処しつつあることを示す決算が好感された様でした。


 

 一方、キャタピラー、ボーイング、マイクロソフトなどは下落となりました。


 


 ナスダック総合の終値も325・26ポイント安の1万5657・82でした。



 4月の米株式市場は月間で半年ぶりに反落して終えました。


 ただ、S&P500は昨年10月の安値から25%超上昇しています。米経済が高金利に耐えられると楽観的観測から、投資家がAI関連への投資を積極的に進めた結果だと思われます。


 しかし、ここに来てFRBがタカ派姿勢を継続する一方で、頑固なインフレが経済を弱体化させるとの現実が突きつけられている様です。




(ドル円)



 ドル円は1ドル157円台で推移しています。


 

 米雇用コストの伸びが予想を上回ったことを受け、ドルが上昇しました。


 米労働省が30日に発表した2024年第1・四半期の雇用コスト指数(ECI)は前期比1.2%上昇し、伸びは前四半期の0.9%上昇から加速しました。ロイターがまとめたエコノミスト予想は1.0%上昇でした。


 FOMC後は再び160円を目指す展開となるか注目されます。



(原油)


 

 原油先物相場は続落しました。WTIは前日比0.70ドル安の1バレル81.93ドルで取引を終えました。米国の根強いインフレを背景に利下げが先延ばしされるとの観測が強まっています。景気が抑制され、原油需要が伸び悩むとみた売りが優勢でした。


 エネルギー関連銘柄も大幅下落となりました。