ダウ平均株価は前日比2・43ドル安の3万8459・08ドルでした。
ダウ平均はわずかに続落となりました。米生産者物価指数(PPI)が予想を下回ったことで買いが先行しましたが、一巡後はすぐに上値が重くなり、ダウ平均は下げに転じました。
前日の米CPIで形成された市場の利下げへのセンチメント後退を取り戻すまでの材料ともならず、重い展開となりました。
また、週間の新規失業保険申請件数が前の週から減り、市場予想を下回りました。
インフレ圧力が根強いなかで高金利が長引くとの見方が意識され、米長期金利が一時、前日比0.04%高い4.59%と昨年11月中旬以来の水準に上昇し、株式の相対的な割高感も相場の重荷となりました。
ただ、IT・ハイテク株は買い戻しが強まり、ナスダックは大幅高となりました。
今週のインフレ指標を通過して、市場はいよいよ米企業決算で、明日の大手銀を皮切りに決算シーズン本格化となります。
堅調な景気により、S&P500企業の利益は2四半期連続の増益が期待されています。
ナスダック総合の終値は271・84ポイント高の1万6442・20でした。
S&P500の終値も38・42ポイント高の5199・06でした。
個別では、アップルが大幅上昇となりました。AI分野で巻き返しを図っているとの報道に加え、アナリストがAI対応のアイフォーンへの買い替え需要が高まる可能性を指摘したことから買われました。
レント・ザ・ランウェイは決算を受けて大幅上昇となりました。売上高が予想を上回ったほか、EBITDAが予想の2倍以上となりました。
アルパイン・イミューン・サイエンシズも急伸しました。バーテックス・ファーマが同社を1株65ドルで買収することで合意したとのことです。
ナイキも株価上昇となりました。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を113ドルに設定しました。
一方、サイバーセキュリティのジェン・デジタルは下落となりました。アナリストが投資判断を「中立」に引き下げ、目標株価を25ドルに設定しました。
モルガンスタンレーも下落しました。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が、米財務省や米証券取引委員会(SEC)などが同社のウェルス部門を調査していると伝えたことで売りが強まりました。
(ドル円)
ドル円は1ドル153円台で推移しています。
3月の米卸売物価指数(PPI)が予想を下回る伸びにとどまったものの、インフレ再燃を巡る懸念を和らげるには至らず、日米の金利差が意識され、円安が続きそうです。
(原油)
原油先物相場は反落しました。米PPIが市場予想を下回ると、米金利の低下とドル売りで小幅に原油先物にも買いが集まる場面もありましたが、昨日の強い米3月CPIや米エネルギー省(EIA)週間石油在庫の予想以上の積み増しなどの売り材料が上値を抑えることになり反落しました。