今年は元日から大変なスタートとなった日本ですが、日本の底力が試される一年となるのかも知れません。


 日本市場は災害、事故、事件などから下落して始まるかと予想していましたが、私の想定よりは堅調なスタートとなりました。


 為替も円安に振れ株式市場の支えとなりました。


 年末には、1ドル140円付近まで円高が進行しましたが、能登半島地震などを受けて、1月の日銀金融政策決定会合では、経済への影響を考慮して金融政策の正常化は先送りするとの観測が強まりました。



 また、足元の米労働市場の堅調さが確認できたことなどからFRBの早期利下げ観測も後退となりました。


 米10年国債利回りが4%台を回復し、10年物国債の日米金利差が3.4%水準まで再び拡大したことから、海外時間の為替市場では1ドル146円台手前まで円安ドル高が加速する場面が見られました。


 円安進行は、輸出関連銘柄の追い風となる一方、米ハイテク企業は、円安の要因である米金利上昇がネガティブ材料となることから、日本株への影響はまちまちですが、バリュー株にとってはプラスとなりそうです。


 また、米国では11日にFRBが重要視する経済指標12月CPIの発表を控えています。


 仮にインフレ再燃につながる強い数字となった場合は、「早期の利下げ観測」から「追加の利上げ観測」に市場の見方が変わる可能性もゼロではありません。


 日本の金融政策の正常化は3月以降というコンセンサスが固まりつつあることから、米金利は上昇しやすい状況です。



 今年に入り、新NISAも始まり、高配当・バリュー株が上昇トレンドとなりました。


 NISAの積み立て投資では、月初めを買付日として設定するケースが多いことから、高配当銘柄への資金流入がコンスタントに続くかは分かりませんが、需給面では一定の効果はありそうです。


 金融庁がHPで公開している2023年9月時点のNISA口座の利用状況をみると、昨年1月から9月までで株式市場には1.3兆円の個人投資家の資金が入っていることから、年換算を推測すると1.7兆円ぐらいとなります。


 新NISA導入により、利用者が増加し個人投資家の資金が株式市場に昨年よりも多く流入する可能性は高そうです。


 そして、個人投資家に人気が高い高配当銘柄のなかでも、銀行株への関心は高そうです。


 早期の金融政策の正常化観測は後退しましたが、今年中に日銀が金融政策の正常化に踏み切る可能性は高く個人的にも注目しています。





 スケジュール



1月8日



日・休場


独・貿易収支(11月)


欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(12月)


欧・ユーロ圏小売売上高(11月)


米・アトランタ連銀総裁が講演



1月9日



日・東京CPI(12月)、家計支出(11月)


独・鉱工業生産指数(11月)


米・貿易収支(11月)、テクノロジー見本市「CES」



1月10日



日・実質賃金総額(11月)


米・ニューヨーク連銀総裁が講演、


米国証券取引委員会(SEC)がビットコイン現物投資型ETFについて承認の是非を判断する期限




1月11日



日・景気先行CI指数(11月)、日銀支店長会議


米・消費者物価コア指数(12月)、新規失業保険申請件数(先週)



1月12日



日・国際収支(経常収支)(11月)、景気ウォッチャー調査(12月)


中・消費者物価指数(11月)、貿易収支(12月)


米・生産者物価コア指数(12月)