先週末、日経平均は上昇、NYダウも続伸しましたが、一方、ナスダック総合指数は反落とマチマチで終えました。


 そして、注目を集めていたエヌビディアの8-10月期決算は、生成AI向け半導体需要が拡大し前年同月比で売上高が約3倍、純利益が約14倍という市場予想を上回る結果だったにも関わらず、決算発表後の時間外取引で同社株価は下落となりました。


 それだけではないと思いますが、翌22日の日本市場も売り先行でスタートしました。ただ、押し目狙いの買いが入りすぐに切り返しました。


 その背景材料となっているのが、トヨタなどの3月期決算企業の中間配当金の支払いが始まったことによる配当再投資への期待感からだと見られます。その配当金総額は昨年の6.5兆円規模から今年は7.7兆円規模に膨らんでいるとの観測があり、配当再投資による需給改善期待が相場を下支えてしている様です。


 日経平均やTOPIXが3日ぶりの反発となった22日の東京市場の主要株価指標で、無配株が多い東証グロース250指数がマイナスだったことは一考に値すると思われます。


 この配当再投資の動きと並行して、年末とクリスマス休暇を控えた機関投資家のポジション整理の売りが一時的に高まる傾向があり、11月30日はMSCI日本株指数に絡む機関投資家の銘柄入れ換えの売買による一時的な波乱が生じる可能性もあります。



 一方、22日発表の米新規失業保険申請件数が労働市場の底堅さを示したことや、ミシガン大消費者信頼感指数の確報値が上方修正されたことをきっかけにドルの買い戻しが強まっています。一時、1ドル147円台中盤まで進行した為替が円安傾向に転じることで、下値抵抗感も増してくることが想定されます。


 


 日米金利の低下を受けた金融株上昇一服、およびバルチック海運指数上げ一服からの大手海運株調整に加えて、自動車中心の輸出関連も為替動向次第と、バリュー株物色の方向性は定まりにくくなっています。


 ただ、年初から好パフォーマンスとなっている日本株に海外投資家を含めた注目が集まる可能性は十分にあり、先高期待は根強い状況です。


 手掛かり難の中、引き続き半導体関連株が物色人気の中心となりそうです。


 台湾TSMCが第3半導体工場の建設を検討、SBIホールディングスが台湾のPSMCと協力、宮城県に半導体工場を新設、クラボウは熊本に半導体製造装置向け高機能樹脂の新工場を建設と、国内での半導体投資に関連するニュースが相次いで入り、再び熱を帯びてきました。製造装置や設備投資関連、技術者派遣といった半導体周辺株に循環物色の輪が広がりそうです。


 このほか、クリスマス、年末商戦に向けたニュースフローが出やすい時期でもあり、小売り・百貨店、外食、ホテル、レジャー関連にも視線が向かいそうです。





 スケジュール



11月27日




企業向けサービス価格指数(10月)


米・新築住宅販売件数(10月)




11月28日



基調的なインフレ率を捕捉する為の指標(日銀)


豪・小売売上高(10月)


米・消費者信頼感指数(11月)


 ウォラーFRB理事が講演など




11月29日



安達日銀審議委員が講演


欧・ユーロ圏景況感指数(11月)


独・消費者物価指数(11月)


米・GDP改定値(7-9月)


 地区連銀経済報告(ベージュブック)公表




11月30日



鉱工業生産指数(10月)


小売売上高(10月)



中・製造業PMI(11月)


欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(11月)


米・個人消費支出(PCE)価格コア指数(10月)


 11月も終り、早くも今年もあと1ヶ月🎄🎍




12月1日



有効求人倍率(10月)


失業率(10月)


中・財新製造業PMI(11月)



米・ISM製造業景況指数(11月)など