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都会の中にひっそりと佇み、
大阪を強力に護る！聖地、
高津宮。
遅ればせながら、こちらの御祭神の主神は、
第16代天皇、仁徳天皇。
そして、
仁徳天皇の祖母、神功皇后
仁徳天皇の父、応神天皇
仁徳天皇の祖父、仲哀天皇
仁徳天皇の長子、履中天皇とその皇后、葦姫皇后
と、仁徳天皇を中心とした、親子3代が祀られています。
この高津宮とは、名前の通り、本来は神社ではなく、
当時、仁徳天皇の皇居だった場所なのです。
仁徳天皇は、上町台地を中心とするこの一帯、古代の難波の地を皇都と定め、
大阪の隆盛の礎を築きました。
その時にPart1に書いた、巨大な夫婦龍が降ろされたことにより、
大阪の経済や文化を後押ししていたのでしょう。
それ以外に大阪が日本の中で最も災害が少ない地域であることも、
高津宮の龍神様の守護によるものと言われています。
その巨大龍を勧請した、仁徳天皇とは・・・。
大阪府堺市に巨大なお墓とされる、仁徳天皇陵があまりにも有名ですが、
歴代天皇の中でも、稀代なる高貴な人格を持たれ、「聖帝」と称された、
「民のかまど」の逸話があります。
仁徳天皇は即位後、高台に登られ国を見渡された所、
民家のかまどに煙が立っておらず、これを目にした仁徳天皇は
「これは民が貧しいからである。3年間の徴税を禁止し、免税とする」
と仰せになり、免税を行われた。
そのため皇居の屋根を葺く材料にも事欠いてしまっていたが、
天皇は気になさらず3年後に炊煙が盛んに登るのをご覧になられ
「我は富んだ。素晴らしき事」と仰せられたのを聞いたお后が、
この状況下で富めるのはなぜかと問いかけると、
仁徳天皇は「まつりごとの基本は民。
民が富まねば天子である私も富んだ事にはならぬ」と仰せになられた。
諸国の民や権力者は「御殿の修理をせねばならない時、
民は豊かになって落し物すら拾得しない。
このような時に租税を治めねば天罰を受けます」
と言上したが、仁徳天皇は更に3年間の免税を続けられた。
しかし、しばらくして「天皇にこんな貧相なところに
住んでもらうのは申し訳ない」と憂えた民たちによって、
天皇はようやく「好かろう」と思われ税を解禁され、
その詔を拝聴した諸国の民は大挙して都に詰めかけ、
自主的に御殿の修理や納税に励んだ。
そのため、陛下を『聖帝』と申し上げる事となった・・・・
境内の中に、当時、仁徳天皇が立たれたとされる「高台」があり、
「絵馬殿」として、その当時の様子が残された絵画があります。
これがあの有名な「民のかまど」の絵です。
”高き屋に登りて見れば煙立つ民のかまどはにぎわいにけり”
（高殿に登って見ると、炊煙がさかんに立っている。
民の竈はにぎやかになったことだ）
※新古今和歌集より
今、日本国民は、30年間収入が上がらず、それに反して
増税の一途をたどる政府の政策の中で、悲鳴を上げている現状の中、
余計にこの「民のかまど」に心を打たれるものがあるのでしょう。
聖帝と言われた仁徳天皇ですが、本当は日本の「天皇」とは、
歴代、国民を「大御宝」と呼び、国民を我が子として慈愛する、
この大御心を持たれ、また国民はそのような天皇を敬い、慕い、
決して主従関係ではなく、お互いが護り、護られる相互の深いつながりを持って、
国を発展させてきた日本という国の、いわゆる象徴的な逸話として、
大切に受け継がれてきたのでしょう。
この日、皇室の大祭、春季皇霊祭は、
歴代天皇霊を祭る、宮中の重要な祭祀。
仁徳天皇は今の日本をどのように思い、
そして今上陛下に何を託されたのでしょうか？
そして、ここからもう一社、巡ることになります。
※Part3に続く
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