突然ですが

”あなたのお子さんは、ペットボトルの蓋を自分で開けることはできますか?”

 

ペットボトルによっては固いのもあって、大人でもちょっと苦労する時がありますよね。

ネットで調べたら、もちろん個人差はありますが

大体小学校低学年くらいで 未開封のものを自分で開けられる子が多くなるようです。

 

ペットボトルのキャップをぎゅっとつかむ、手首を回す。

単なる握力だけの問題ではなく、どのくらいの力加減で、どっちの方向に身体を動かせばいいか?

当たり前にやっているようで、実は脳が身体の動きを感知し制御することができるからこそなせる技(わざ)なのだそうです。

 

これが発達に遅れや偏りのあるお子さんの場合、中学生になってもできないということがあるようです。

 

でも、ここで一度確認ですが

 

”子どもにペットボトルの飲料を与える時 いつも蓋を開けてから渡していませんか?”

 

(子どもが)できないのではなくて、(親が)やらせてこなかったから 

ということはないでしょうか....。

※もちろん脳の発達の状態によって、あるいは身体的機能の問題でできないお子さんもいると思います。

 

 

まずは子どもに自分で蓋を開けることをやらせてみましょう。

当然最初は固くて開きません。「開かない~!」と言うでしょう。

 

そうしたら「そういう時は ”開けてください。”ってお願いするんだよ。」と教えます。

子どもが「開けてください。」と言ったら、「そうそう、そういう風に。」と誉めてみましょう。

 

開けたら「どうぞ。」と差し出し、子どもが手を伸ばしたら

「”ありがとう。”ってお礼を言うのよ。」と教えます。

「ありがとう。」と言ったら、「そうそう、いいね。」と誉めましょう。

「おいしい?」と笑顔で聞いてみるといいですね。

 

きっと子どもは ”自分ができない時どうしたらいいか” を学ぶと思います。

そして、”それをしたら ママが開けてくれた。おいしいドリンクが飲めた。

ママが優しく笑ってくれた。” という体験を積みます。

 

そんなことを繰り返しているうちに、今度は最初の固いところだけを回してから渡し

「自分でやってみてごらん。」と言ってみます。

 

頑張る我が子に 「そうそう、えらい!」とか「あともうちょっと!」と声をかけたり。

それで開けられたら「やった~!開いたねー。」とか

「自分でできたねー!すごい!!」 と誉める言葉をお忘れなく。

 

子どもは ”自分でできた、自分もやればできる” という成功体験を積んでいきます。

 

そのうち、未開封のものにも挑戦させて

それもできるようになったら 「さすが!もうお兄さん(お姉さん)だもんね。」と声かけをしてみましょう。

子どもは 得意満面の笑顔になると思います。

 

もちろん、こんな風にうまくいかない場合もあるでしょうね。

癇癪を起したり、途中で投げ出したり...。

今は無理だな と思えば、その時は開けて与えてもいいし

ここはちょっと我慢のしどころ と思えば、なだめすかしてやらせてみせるのも手だし。

その辺はわが子との駆け引きも必要ですね。

 

手助けしてやらせてみる とか、いちいち声かけする なんて面倒で

そんな時間的余裕ないわ と思われるかもしれません。

親が開けて渡せば、3秒で済みますもんね。

 

でも、子どもが自分で開けられるようになれば、親は1秒も必要なくなりますよ。

 

私が思うに 「親の仕事」 は 

どうすればいいか教えること。 やってみせ、自分でやらせてみること。

そして 待つこと。認めてあげること。

例え最初はうまくいかなくても、挑戦したことを、頑張ったことを 誉めて認めてあげる。

その繰り返しではないでしょうか。

 

たかがペットボトルの蓋 ですが、一事が万事 のように思います。

 

 

例えば ”うちの子 ひとりで乗り物に乗れません-”という話。

働く能力はあるのに、高校を卒業しても自分で職場に行けないという人がいるのだそうです。

 

まずは 小さいうちから親と一緒に乗ってみましょう。何度も何度も乗りましょう。

乗り物の中では静かにしなければいけないこと

座席にどうやって座る、荷物はどうする そういうことをいちいち教えます。

叱るのではなく、あくまで教える です。

一緒にお出かけするのが楽しくなければ、効果がありません。

 

お金はどうやって払うか、最初は親がやってみせ そのうち自分で払わせましょう。

 

慣れてきたら 同じ電車やバスに別々に乗ります。

さらに 一人で乗せて、降りる時誰かに迎えてもらう ということをしてみたり。

ヘルプカードや携帯電話を持たせたり、できる限りの備えをしましょう。

ヘルパーさん等の支援者も見つけておきましょう。

ステップを1つ上がったら誉めてあげて、次への挑戦の意欲をかき立てることをお忘れなく。

 

1年でできるように などとは思わずに、何年もかけて経験を積んでいきましょう。

 

最初は確かに面倒です。

初めて一人で乗せる時は 親の方がハラハラ・ドキドキ 緊張します。

 

でも、わが子が一人で乗れるようになったら、親はすごく楽になりますよ。

手を離す勇気が 子どもにも親にも必要なんだと思います。

小さな失敗も 子どものうちは赦される場合も多く、そういう経験を積んでいくことで

何をしてはいけないのか、何に気を付ければいいのか

子どもが自分で実地に学んでいくはずです。

 

将来 就労して自分で職場に通うようになるためには、こういう経験を積ませることが大事になるでしょう。

 

昔、山本五十六という人(有名な軍人の方のようです)が

「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」

と言ったそうです。

たぶん部下のことを言っているのでしょうが、私が先に書いた”親の仕事”と同じですよね。

(パクったわけじゃないですけどね~ほっこり

 

これは学校や放課後デイサービスにお任せするのではなく

まずは家庭で親がやるべき ”親の務め” なのではないでしょうか。

だって、学校や放課後デイにはいつか終わりが来て、子供は結局親の元に戻るのです。

そして、親には”終わり”がありませんからね。 

 

 

とても長くなりました。あせる

「未来えんじん」のぴあカフェやテーマ交流会(ワークショップ)で

今後もこんなお話ができたらいいな と思っています。

皆様のご参加をお待ちしています。ラブラブ

 

by suzuニコ