7R

Bailet, Pierre(FRA,2492)-Aoshima,Mirai(JPN,2367)

1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 Nc6 6. Bg5 e6 7. Bb5 Bd7 8. Qd3

最近流行しているラインですが、知りませんでした。d3にいるクイーンはe4を守っていたりg3に回る筋を見ています。その際に先にビショップをb5に出して使える形にしています。

8... Be7 9. O-O-O h6 10. Bh4 O-O 11. Bxc6

白からc6のナイトを取ってきました。これを嫌うなら黒からNxd4 Qxd4としますが、e4-e5の筋が発生するので難しいところです。

11... Bxc6!?

11... bxc6 12. Nb3!でBxf6 Bxf6 Qxd6を狙ってきます。しかし12... d5 13. e5 Ne8か12... a5 13. Bxf6 gxf6の進行の方が本譜より良さそうです。

12. f4 Rc8 13. f5 e5 14. Bxf6 Bxf6 15. Nxc6 bxc6 16. Qxd6

白はd6を取り、ポーンアップとなります。しかしこの形では大抵d6のポーンをクイーンで取られる分には問題ありません。

16... Qb6

Na4の当たりを避ける16... Qa5も有力だと思いましたが、b2やe3へのアタックを残せるb6が自然です。

17. Qd3 Rfd8 18. Qc4 Rd4 19. Rxd4 exd4 20. Nd5

ポーンダウンでもRd4がアウトポストを生かした攻めで、取らなければRfd8と足せますし取ったらd4に拠点を作ってポーンストラクチャーも良くなります。しかしながら20. Nd5!が白の反撃で、ここが重要な局面でした。

20... cxd5?

最初は20... Bg5+ 21. Kb1 Qb8のつもりでしたが、考えているうちにルークを捨ててもd3~Qxb2のアタックがあるので戦えるのではないかと思ってしまいました。

21... Qb8以下22. Nb4 Qe5 23. h4 Bf6が予想される進行で、白はe4を守るのは簡単ではなく、難しい戦いが続きます。

21. Qxc8+ Kh7 22. e5 Bxe5 23. f6!

黒のd3~Qxb2をどう受けるかですが、e5~f6とポーンを2枚捨てるのが好手で、Qh3~Qd3+を見ています。見えてはいたものの、２ポーン返すので黒も戦えるかと思ってしまいました。

23... Qxf6?

これが致命的ミスです。23... g6とすべきで、これなら24. Qh3 d3に25. Qxd3がチェックになりません。

24. Qd7 Qxf6 25. Qxd5でポーンを取られるのが嫌でしたが、25... d3 26. Qxd3 Bxb2 27. Kb1 Ba1 28. Qb3 Be5で黒も頑張れます。

エクスチェンジダウンで良いところはないですが、白もルークが居なくなるとQf1+がありますし、h2のポーンも浮きます。

唯一パスポーンになりうるcポーンはキング前を弱めるので伸ばせません。白良しですが勝つのは結構難しいと思います。

24. Qh3 Bf4+ 25. Kb1 Be3

dポーンがセンターを制圧しているのでまだ難しいのかと思っていましたが…

26. Qf3 Qe6 27. Rf1

Qf5からのクイーン交換が避けられないことを見落としていました。交換になるとキングサイドへのプレッシャーがないので、a,bポーンを伸ばされて強力なパスポーンを作られます。

27... Kg6 28. g4 f6 29. Qf5+ Kf7 30. Qxe6+ Kxe6 31. a4 Ke5 32. b4

白はスムーズにポーンを伸ばせますが、黒はルークに邪魔されてなかなかキングサイドのポーンを伸ばせないので負けです。

32... Bd2 33. b5 Bb4 34. Kc1 g6 35. Kd1 f5 36. gxf5 gxf5 37. Rg1 f4 38. Rg7 f3 39. Rxa7 Ke4 40. Rf7 Ba5 41. Rf6 h5 42. b6 Ke3 43. b7 Bc7 44. Ke1 1-0

白はルークでa7のポーンを狙い、ビショップを受けに使ったのを見てキングでfポーンのプロモーションを防いだのが良い構想でした。f2と突いてBb8の形を作れればドローに持ち込めたのですが、1手間に合わず負けとなりました。

Rilton Cup 7R