どっぷり逃避状態が続くと、

なにもかもがどうでもよくなり、

すっかり麻痺していました。

 

どれをとっても中途半端で宙ぶらりんなまま、

正直腐っていました。

 

だけど、心の奥底ではこんなことではいけないと

危機感はありました。

 

そして、そんなことではいけないと思う心が

現実を反映するかのように

いろんなトラブルに見舞われるようになりました。

 

一番堪えたのはご近所とのトラブルでした。

 

これまでは独りの子育てもさして苦にはならなかったですが、

こういったトラブルを対処するにも、

一緒に住むわけでもなく、ましてや立場として配偶者ではない彼に

頼るわけにもいかず、

両親にはあまり心配をかけさせたくはない…

そんなことから、しばらくは自分だけで収めていましたが、

とうとう耐え切れなくなって、両親のもとへ身を寄せることを決意しました。

 

今考えても随分自分勝手です。

ほかの場所に引っ越すことも考えたりしましたが、

実家の両親に一言言えば、

そう提案してもらえたので乗っかることにしたのです。

この時はわらをもすがる心境でした。

 

この時、彼の存在はまだ知らせてはおらず、

さる事情から反対されることは承知していたので、

彼とのことより自分の身の安全を優先に考えてしまい、

彼とは縁が切れてもいいとすら思ってました。

それぐらい思い詰めていました。

 

そして、実家の近くに倉庫代わりに置いていた一軒家をリフォームして

私たちが住めるように図面を、父が広げていたところで

やはり、ここは本当のことを話さねばならないと

 

実は一緒になりたい人がいて、

その人は(彼の名前)さんなんです・・・!

 

本来は大きすぎる私の声が、

はっきり聞き取れたかどうだかわからないぐらい、

ふり絞るようにやっといえた感じです

 

 

 

 

しばらくの沈黙の後、

父は静かにため息をついて、

 

わかった、それではこの話はナシやな

 

つまり、私たちを一生、実家の元に暮らすのであれば

リフォームして住まわせるしかないと思っていたけど、

本当は結婚したい人がいるのなら、

その人とどうするか決めてからでないとリフォームも意味がない、

そういうことで実家のもとに身を寄せることも白紙に戻り、

袋小路に取り残されたような感じになりました。

 

呆然としてしまい・・・

 

・・・一方では安心したようで

 

だけど、

なーんにも解決はしていません。

 

 

本当、これから先どうなるんだろう?

 

 

実家の件が白紙に戻ったことを

彼は半ば安心したようだったけど、

余計なことは一切言いませんでした。

 

おそらく、口火を切れば、

私に突っ込まれるのを恐れていたのでしょう。

半分は期待したかったけれど、

何も言わないところを見てしまえば、

これ以上何も聞く気にもなれませんでした。

 

 

 

 

私のことを案じつつ、庇護し続けることで

依存を助長させてしまう両親、

 

私のことは一途に想いつつも、

身を固める決意を持てない彼、

 

そしてどこまでもふらつくだけで

何もできない自分

 

 

 

もう一生このままなんだろか・・・

 

朧げな悲しさと、いっぱいに広がる閉塞感で

苦しいだけの毎日が続きました

 

 

しかし、両親に初めて打ち明けたことで、

変化へのきっかけが生まれてはいたのです。

それに気づくのはもっともっと後のことでしたが・・・

 

 

つづく。