9project『象』

作:別役実


つかさんの作品でもなく、9proのオリジナルでもなく。

別役実さんの、不条理劇なのですね。


前説にもありましたが、別役実さんが24才で上演した『象』。

それを観た14才のつかさんは、相当な衝撃を受けたらしい。

つかさんは「初級革命講座なんか、ほとんど象のパクリだからな」と言っていたのだとか。


その辺りをよく知りたくて、帰りにパンフレット買おうと思っていたのに、忘れてきました。

9pro、物販通販やってましたっけ?

後で調べよう。


さて。

どこが初級革命講座につ繋がるのか。

ザックリ、超簡単に比較してみましたの。


初級は、熱い想いの人がいて、もう1人の熱い想いを忘れたフリしている人に、また一緒に燃えようよ!と焚き付けていく物語。

象は、熱い想いの人がいて、周りがもう忘れようとなだめていく物語。


熱い想いは一緒でも、物語の方向は違う感じ。

でも、そこにある人間の想いの深さ、必死に生きる姿というのは、同じなんでしょうね。


とはいえ。

初級は、なかなか想いが届かない、暖簾に腕押しな部分は不条理とも言えるかもしれませんが。

最後には、きっと想いが届いたんでしょうから。

(届いたかどうかは、観た人次第でしょうけど)

つかさんは、やっぱりハッピーエンドを作る人。

想いが一方通行である分、やっぱり象の方こそ、不条理ですね。


そして、お芝居ですけども。

芝居が進み盛り上がってくにつれ、その異様とも感じられる空間に、グッと引き込まれておりました。


智之さんが、スゴイわぁ。

いつも、智之さんの芝居は、良くも悪くも智之さんでしかないのだけれど。

それが昔から好きだったし。

今回の役が、とても良く合っていた。

これを観られて本当に良かった。


智之さんは、この作品で9proでの活動からいったん退団なのですね。

また、素敵なお芝居を観せてくださいな。