理化学研究所の女性研究者、小保方晴子さん。
画期的な方法で万能細胞の作製に成功。
マウスの体の細胞を弱酸性の溶液に浸すと、
どんな細胞にも分化できる「多能性」を持つようになることを実証。
ここで研究成果以上に驚いたことがあります。
専門性が要求される現代においては
知らず知らずに視野も、思考の幅も狭まって
専門的な領域に特化した方向に研究が進んでしまうであろうことは
容易に想像できます。
そんな環境のなかで『細胞に外的ストレスを加えてみよう』
と思ったその思考の起点こそがもっとも賞賛されるポイントだと思うんです。
例えば麦は踏んで強くなるとか、水分を極限まで与えず育てたトマトがとても甘いとか、
幼少期に異物にたくさん晒されることで免疫力が強くなるとか、
修行によって精神性を高めるとか、あ~乾布摩擦とか、
黒船来襲が維新の引き金になったとか、
これ全部『ストレス反応』の一種です。
人生を重ねていけばなんとなく経験的に『肉体や精神はそんな外的刺激によって
時には劇的に変化する』ことになんとなく気づいてはいます。
しかしそれを目の前の極めて専門的な研究においてしかも30歳の若さで
まさしく俯瞰的な思考を取り入れたことに驚愕するのです。
それは既存の研究者からすれば愚弄に値したのでしょうが
重箱の隅をつつくような研究思考のほうがむしろ生命を愚弄しているのかもしれません。