急遽、呼ばれて日帰りで丹後の國に行ってきました。
お茶のお家元が遷化されたので、
お別れを言いに行ってきました。
(あえて淡々と書きますね)
京都の山奥・・晴天に恵まれ、陽の光と新緑がまぶしいほどでした。
このお寺は紅葉で有名で観光地となっています。
(今は新緑の紅葉です)
お家元は南禅寺派の和尚さんで、
煎茶道の作法を通して、
日本人に浸透している禅の教えや、
真・善・美の和ごころを
私たちに分かりやすく教えてくれました。
私は約20年前に、青山のクラスに入門し、
娘の様に溺愛してもらいました。
20代で婚約を破棄して・・
30代で脳梗塞になり・・
40代で結婚して・・
という波瀾万丈な人生を歩んだ私を
決して戒めることなく受け入れてくれました。
「あなたはそのままの存在で十分だ・・
考え込むことなくシンプルに生きなさい」と
精神的に支えてくれた父親の様な存在・・
人生の恩師なのです。
お寺の境内にある樹齢600年の御霊木(イチョウの木)です。
すごいパワーが天井注がれていて、
「龍」の光がやってきましたよ。
「授乳のイチョウ」と呼ばれていて、
人を包み込む大きくて柔らかいエネルギーがありました。
思わず触わりたくなります。
境内の所々に置いてあるお家元のコレクション・・
どれも厳しいながらも柔らかくておおらか・・
そこにいるだけで落ち着いてくる。
お家元のいのちが吹き込まれているかの様です。
5年前に倒れてから、
お家元にお会いすることはなかったので
ようやくお会いすることができました。
今年に入ってから何となく
お別れの日がやってくることは覚悟していました。
自分が想定していた感覚とは全然違うものでした。
存命の内に会いたいけれど、会えない・・
たくさんの講話を聴きたいけれど
もう聴くことはできない。
ココロの奥底に握りしめて、
息を殺すように止めていた想い・・
失う恐怖に怯えて暮らしていた私・・。
そして語り尽くせないほどの感謝の想い・・
それを伝えられないもどかしさ・・
いろいろな想いが
これからも沸き上がってくるだろうなあ・・。
綺麗な言葉でまとめる必要もないと思うので
今は備忘録です。
遷化とは・・
高僧が「この世の教化(きようげ)を終え、
その教化を他の世に遷(うつ)す」
ことを言うそうです。
一度、大宇宙に還り、次のお勤めをされるとのこと・・
時には「風」となり、私たちの元へ語りかける様に
ヒントを与えてくれるかもしれません。
尋ねられても答えることはできないんだよ・・
自分で答えを出して己の道を歩みなさい。
これからの私たちの生き方について
今の住職(息子)さんが、その様なことを言われていました。
出棺の時・・お家元がお寺を離れて行かれた時の空・・
泣きながら仰ぎ見ると、雲が一つなく空が高かった。
大きな宇宙と繋がっていることを
いつも意識しなさい。
あなたの宇宙観でいいから、
一瞬の静寂さを大切にしなさい。
お家元が生前に何度も言われていたことが
ようやく身にしみて分かってきました。
私のココロにしなりをもたらせてくれた
敬愛する大きな存在です。
今、ここにある愛に感謝します。
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