8 (親視点)
もう今年も終わりが見えてきた。
ついこの間まで暑かったはずなのに、
もう沿道の木々は色づいている。
週末は寒気が入り込んで冷えると
ニュースで言っていた。
紅葉も染める足が早くなるのだろう。
行楽シーズンで賑わうところもあるだろうが、
我が家の空気は澱んでいる。
受験が近づいているからだ。
「全日制に行きたい」
そう子どもが言った。
はっきり言って無謀だ。
出席日数がすでにギリギリ。
勉強もほとんどしていない。
先週、最後の学校のテストを
受けるだけ受けてきた。
テストも毎回ちゃんと行けるのか
ヒヤヒヤしながら当日の朝を迎える。
受験なんて行けるのだろうか。
なんとか受験できたとして、
このままではさすがに受からない。
担任の先生からも伝えてもらったが、
毎日YouTubeとゲーム三昧。
私からは言わない方がいいと思い、
先生に伝えてもらったのだが、
何も変わる様子はない。
今ならなんとかギリギリどうにかなる
瀬戸際なのだ。
「全日制に行きたいんでしょ?
先生にも言われたんだよね?
じゃあやろうよ!なんでやらないの?」
言わない方がいいとわかってはいるものの、
どうしても言いたくなってしまう。
希望が叶わなかったら、
この子はまたどん底に
落ちてしまうのではないか。
引きこもってしまうのではないか。
そう思うと不安でいっぱいになっていた。