8 (子視点)
窓から見える色が変わっている。
「変わるな。変わるな。止まって。」
そう願っても時は無常にも
一定の速さを止めない。
運動会、文化祭。
高校生って楽しそうだな、
青春だよな。
近所のお姉さんを思い浮かべると
憧れる気持ちが湧いてくる。
全日制がいいなと思う。
でも、今の自分とはかけ離れているのも
わかっている。
最後に登校してから
どれだけ経っているのだろうか。
そんな自分が毎日登校なんて無謀だと
親も口には出さないが思っている。
そもそも、入学には試験がある。
年明けの受験が毎日毎日
しつこく近づいて来る。
どんな学校であれ、
さすがに今のままでは受からないだろう。
頭ではそんなこと分かっている。
分かっていても、
やる気にならない。
なるはずもない。
一体どこから手をつければいいのか
検討もつかないのだ。
どこまで遡って勉強しなければならないのか。
考えるとゾッとする。
勉強してこなかった自分が悪い。
勉強しなかったというより、
できる状態じゃなかった。
今更どうしろと言うのか。
それでも、するしかない。
先生からも勉強するように言われた。
今のままではダメ。
今の自分ではダメ。
もう手遅れかもしれない。
憧れる高校生と今の自分との間にある
大きな溝を渡るにはとてつもない
エネルギーがいる。
その溝の幅や深さを考えると
怖すぎて見ることもできない。
まだ無理。
怖い気持ち、焦る気持ちから
今日も別の世界に逃げ込んだ。