皮膚科の紹介状を持って総合病院の乳腺専門外来を訪れたのは、
皮膚科受診から3週間後のことでした。

まず最初に問診票の記入。

時代の流れだなぁと思ったのは
問診表の最後に、告知についての項目があった事です。

がんと診断された場合、告知はどれを希望するか。
「自分だけに知らせてほしい」
「家族に知らせてほしい」
「第3者に知らせてほしい」
…などでした。

それこそ20年くらい前は
家族だけにこっそり告知されて、本人にはいつ話そうか…
なんていうのが普通だった気がします。

家族に心配かけたくないので自分にだけ、というのはわかる気もしますが
自分でも家族でもなく、「第3者に告知する」という選択もあるのか、と
少し驚きました。




診察室に呼ばれ、問診、視診、触診を受けました。

触診後
「胸にしこりはありません。悪いものではないような気がするけどねぇ」
と言われましたが
いちおうマンモグラフィー、胸部レントゲンを撮ることになりました。


その日のうちに結果が出て、再度診察に呼ばれました。
現像したフィルムを見ながら説明を受け

「右胸に気になる影が写っているので、さらにエコー検査を受けてください」
と言われました。


確かに、マンモグラフィーの写真には
患者の私が見てもわかる、白い斑点がありました。
場所も、腋の下のしこりに近いところでしたが
これらの関係は、はっきりとはわからない、と言われました。

わきの下のしこりは、悪性であるなしにかかわらず手術で取り除きましょうということになり
エコー検査の結果をみて、日程を決めることになりました。


診察後、しこり部分と胸部のエコー検査を受けました。

1週間後検査結果を聞きに来てください、と言われ
この日の診察は終わりました。



病院からの帰り道。
検査、検査で長時間拘束されてぐったりしていましたが

「胸にしこりはないから大丈夫。再検査といっても、異常がないことの確認でしょ。
しこりは取るんだから、これ以上悪くなることはないし。」
と、まだ根拠のない自信満々。

がんは、完全に他人事でした。