こんばんは
身内に不幸があり名古屋へ
帰っていました
久しぶりに会う親戚一同と
密葬を終えたあと
よく行く個室のあるレストランへ。
久しぶりに履いた慣れない革靴を脱ぎ
式も終え こことぞばりに
注文しまくり
隣には父が座り
親戚の子供と楽しそうに触れ合っている
「としちゃん遊んでー」
と親戚の子供は父のことを
生涯一度も呼んだことのない
呼び名で湯気の立つ麺をすする中
背中に抱きつく
父は大変嬉しそうに
「おい!このラーメン 蜘蛛がいるぞ」
と5歳児にも34歳の僕にも
理解できない発言(ボケ)を放ち
子供は5歳にして「愛想笑い」をおぼえる
そんな中
次は父が「じゃあ電気マッサージしたるわ」
と5歳児の両足を両腕で掴み
5歳児の股間に父の足の裏を付けると
小刻みに振えさせ
「電気マッサージ~!」
とハピマも散々受けた
あの頃の記憶が一気によみがえった
こしょぐったくて笑う5歳児
「ひゃへてくけ~(やめてくれ~)」
と抵抗するも父は続ける
悪い癖だ
終わったあと
5歳児は自分の母の元に座り
父の元をそのあとも行ったり来たり
すると父が大きな声で
「電マ電マ!〇〇ちゃん電マするよ!」
と叫ぶ。
5歳児も「電マー?」と
電気マッサージの略だと分かっていて
聞いているのか「デンマ」という響き
が気に入ったのか自分の口から
発信しているのか分からないが
隣の個室にも家族層がいる中
大きな声で5歳の子に向かい
「デンマ!デンマ!」と5歳児に負けない
ピュアなハートを持つ父と
このワードを聞いて
気まずいと感じてしまうのは
その席にいた僕だけだと祈り
湯気は相変わらず立ってはいたが
味のしなくなったラーメンを完食し
お店を後にした
それぞれ車を停めていた駐車場に戻る中
外で父が最後に〇〇くんに向けて
「〇〇ちゃんまたデンマしよーね」と
大きな声でサヨナラの意味も含めて叫んだ
「うん!ばいばーい」
と手を繋ぐ親戚の顔は
笑っていなかった
曇り空ひとつない
澄み切った青空
父を見ると満足そうにタバコを吸っていた