コンビニでサイダーを買いました。

宮沢賢治がビールを飲まずに

サイダーを飲んでいたことを知った時には

何だか共通点を見出して嬉しかった。


最愛の最高の世界で一番すばらしい

私の祖母は本当に利他道の実践者だった。

彼女は仏教の知識を習得せずに

利他道が備わり自然に周囲の人間にとって

心地よい温かさを提供してくれた。


遊びに行くと机の上には

手作りのお惣菜がいくつも準備されていた。

若い頃は日本茶が大嫌いだった私は

祖母の淹れてくれたお茶だけは飲むことができた。


リビングからお風呂場への中庭を見る

むだに広い廊下には、小さな冷蔵庫が置かれていた。

近所の人々や

9人の孫たちが遊びに来た時に

自分の好きな飲み物やアイスクリームを自分勝手に飲めるように

祖母がいつも冷蔵庫いっぱいに詰め込んでいてくれた。


サイダー、コーラー、オレンジジュースなど

何度でも好きなだけ飲み放題できるようにしてくれた。

祖母もお茶だけでなく、時々一緒にサイダーを飲んだ。


葬式の日にリビングの白いレースの座布団カバーに触れた。

洗濯の時に糊付けをバリバリにする固い触感がした。

「おばあちゃんの洗濯を引き継いだの?」

2年ちょっ透析治療しながら

闘病中の祖母が洗濯などできる状態では無かった。

同居していた従弟が言った。


「おばあさんの洗濯しておいてくれたカバーだよ。

おばあさんがたくさん押し入れに洗濯していたものがあったんだ。」

座布団カバーだけでもたくさんの予備を準備して

いつも私たちに清潔で心地よい空間を提供してくれていた。


サイダーの味が、おばあちゃんとの思い出を回帰させてくれた。