さていよいよ船に乗り込みます、ってまだ朝9時すぎ。
相変わらずライン川の水面からは湯気が立ち上がってますよ。
ここから乗る船は始発になるので誰も乗ってないんだけど、乗船開始を待っているのはチケットを握り締める日本人の団体ばかりでした。
さしずめバーゲンセールの始まるデパートの玄関みたいです。
クルーズ船の構造は1階がガラス張りのレストラン。2階が展望デッキという名の何もないスペース。
眺めがいいのは当然ながら壁も天井もないデッキなので、乗船と同時に多くの客は2階に駆け上がっていきます。
効果音つけるなら「うぉぉぉぉりゃーーーーーっ」て感じかな(笑)
ダンナも周りの客に負けまいと階段をダッシュして少しでもいい場所を取ろうと張り切ってました。
が!
その日の気温は5度の予報。
しかもそれって最高気温ですからね、朝の時点じゃ5度もないわけですよ。
確保したスペースにイスとテーブルを運んでくるダンナはいい場所が取れたとご機嫌だったけども、
ツマは死ぬほど寒がりなのです。
もうわかりますよね。
まだ船が動き出してないのにすでにツマはガチガチに震えてました
。
えぇ、寒くて、寒すぎて!!
これで船が動き出したらばどうなるかって実験する気にもなれません。
震えながらツマはダンナに切り出しました。
「…・・・寒い」
「え?」
「このままじゃ寒くて耐えられない、下に行きたい・・・」
実は船に乗る前に添乗員さんが
「レストランはコーヒー一杯で何時間でもいられますから寒い人はレストランにいてください」
っていってたんです。
船内は自由行動だったんでどこにいようが勝手だったわけだけども、
実際その寒さを前にしたら誰がこんな場所にいるもんか!というわけです。
…というか、いられるわけがない。
時間にして10分も経たないうちにツマとダンナはすごすごと1階のレストランに座ってました。
ここで死ぬわけにはいかない!ってことです(笑)
そうして船はライン川を下り始めました。
文字通りコーヒー1杯でやく2時間。
川の両岸にお城が見え始めるとダンナは写真を撮りにデッキにあがってましたが、ツマは一歩たりとも動きませんでしたよ。
だって寒いのいやなんだもん(苦笑)
船はあちこちの乗船場にとまってお客さんを乗せながら進んでいきました。
そのたびにレストランの席は埋まっていき、最初に席をキープして正解ってな状況に。
西洋人は最初からレストランに席を取るのが当たり前のようでした。
レストランの一角はクルーズ船でランチを取る日本人団体のためにリザーブされているからなおさらなのかもしれませんが、ふとみれば2階から降りてくる階段のふもとには寒さに負けた日本人がたくさん立ち見状態ですよ。
これをみて「大正解~」と思ったツマなのでした。
確かに1階のレストランで窓際じゃなかったから景色を堪能するって訳にはいかなかったけども(窓際は食事のために半分以上がリザーブされていたので最初に1階に行かないと空きはなかったので)、
川くだりの雰囲気は両側の窓から見える景色だけで十分です。何より自分の命が大事だし(笑)
船内は6ヶ国語のアナウンスが名所ごとに流れています。
ドイツ語、フランス語、英語、中国語、日本語、韓国語。
添乗員さんに言わせると今は日本人よりも中国人の方が多いからアナウンスの順番が入れ変わったのだとか。
さて、ぼーっとしているとライン川最大の目玉、ローレライ
が近づいてきました。
さすがにそれくらいはデッキから見ようとツマも2階に上がりました。
先に写真撮影に出ていたダンナは既に冷凍寸前。
「これ死ぬよ。スキー場並の防寒してなきゃ無理!!」
特段強い風が吹いているわけじゃないんだけど、吹きっさらしと船の速度で風がびゅーびゅーととにかく寒い。
いきなり冬に突入した風にデッキにいるみなさんが凍えてました。
フード被るわ、マフラー巻くわ、変にちょこまかガチガチ動きまくるわ・・・・・・怪しい人ばっかり(笑)
そこで初めて同じツアーの若夫婦(←勝手に)と会話しました。
若夫婦「寒いですねー」
ツマ「私なんてずっと下にいましたよー」
若夫婦「ローレライ見たら降りようって言ってたのに、全然ローレライ違うのばっかであのおばちゃんに騙されたわー」
別のツアーのおばさんが「あれがローレライよ!」とまったく別の岩をさしていい続け、本物に遭遇するころには凍えあがっていたのでした。
はは、ご愁傷さま(⌒ー⌒;)
ガイド放送を待ってたツマは待つことなくローレライを見物。
でも一瞬どれだかわからないで、みんなで「あれかな?」と確かめ合う始末・・・(--;)
どうらや正解らしい証拠にローレライの音楽が流れて船は何の変哲もない岩を通り過ぎていきました。
ローレライ→
・・・これだけかよ。
さて、2時間の船のたびも終わり、下りるときがきました。
実は船に乗り込む前のバスの中で、添乗員さんがさんざん言っていたことがあります。
「私達が降りるのは『サンクトゴアハウゼン』ですからね。
同じようなところに2回とまりますけど、最初のは『サンクトゴア』で違いますから間違えないでくださいね。
間違えたら迎えに行けませんからライン川を泳いで渡ってもらうことになりますよー」
ライン川は景観に厳しく橋というものが掛かってないのですぐ向かい側でもなかなか迎えにいけないらしい。
そして、まず船は『サンクトゴア』に停船。
いくつかの日本人ツアーはそちらで下船していきます。
と、そこでハプニングが。
「添乗員さん!あの人たちここで降りちゃったんですけど違いますよね?」
別のツアーで騒動が!
どうやら案の定間違えた人がいたらしい。
慌てて降りて連れ戻そうとする添乗員。
気づいてない客を見つけて引っ張ってくると船は既に動き始めている。
渡してある板状の橋が段々ひっぱられて斜めにズルズルと離れていってるじゃん。
その上を慌てて走るお客さん。
そのあとで飛ぶようにして乗り込む添乗員。
船の係員の迷惑そうな顔をよそに船内では若い男性添乗員のお説教が。
「ついてっちゃだめですよ、うちらはハウゼンが付くほうだって言ったじゃないですか」
あははははー・・・(⌒ー⌒;)
これがあるからアレほどうるさく言ってたわけだ。
でもそのあとでそれを見ていて仲間が見つからないのを心配していたさらに別のツアーの客に添乗員が一言。
「大丈夫です、本当に降りちゃってたら渡し舟がありますから」
うーむ、うちの添乗員は軽い脅しを入れてがっちり客の気を引き締めてたのか。
さすがだ。
そんなこんなでうちらは全員無事に対岸のサンクトゴアハウゼンに到着。
すぐ目の前のレストランで、ドイツのジャガイモ料理に初対面となったのでした。








