2012年1月31日。私は、家の書棚にあった、一冊の本を手に取りました。
パウロコエーリョの「アルケミスト」という本です。
この本は、2010年春に家族が購入し、家の書棚に置いてあったのですが、初めて見た時から、その装丁の、青みがかった絵の美しさが印象的で、とても心惹かれました。
いつか読みたくなる時が来たら、読んでみようと心に決めていたものの、書棚で眠らせたままになっていた本でした。
1月31日の夜は、なんとなく目が冴えていて、あの「アルケミスト」という本を、今すぐ読んだ方がいいような気がする…という思いが強く湧いて来たので、手に取りました。
それは、羊飼いの少年のお話で、物語の冒頭、その少年が、2度、同じ夢を見るというところからストーリーが始まります。
不思議な夢に突き動かされ、少年は、夢を解釈してくれるという老女の元を訪れ、自分の見た夢について尋ねます。
すると老女は、「夢は神のお告げだよ。神がわれわれの言葉を話す時には、わしは彼が何と言ったか解釈することができるのさ。しかし、神が魂の言葉を話す時、それがわかるのはおまえだけさ。」と少年に言うのです。
そして、少年の見た夢の通りの事が実現するから、夢に従って行動するように、と促します。
私は、10歳の時に、幼馴染の女の子と出会ってすぐに、同じ夢を見て、それから何十年という時を経て、また同じ夢を見ることになったのは、どんな理由があるのか、その頃、とても知りたくて、、、
この物語の羊飼いの少年のように、誰か夢を解釈してくれる人に尋ねてみたい気持ちが、痛いほどに理解でき…すぐに、「アルケミスト」という本の世界に入り込んでしまいました。
(つづく)