マッキーの新しいアルバムが発売・・・もうしてるのかな?

レコード会社と発売日を何か月も前からくまなくチェックしていた職業病の頃が

今の私には何だか夢のようです。


キャロル・キングのコンサートに行ってきました。



私がキャロル・キングの曲の中で一番好きなのはSweet Seasonsです。

勝つこともある、負けることもある、

何かをやり遂げた瞬間、本当にこれで良かったのかとふと思ったりする、

そんな人生をただ淡々と生きていこうと思う、

そして私達は本当はとても簡単にそういうふうに生きられるはずのような気がする・・・

そんな歌詞を噛み締めるように、この歌を知ってから10年間ずっと

何度も何度も繰り返し口ずさんできました。


10年間の間に私の人生には色んな事が起こりました。

挫折と絶望と希望と興奮を繰り返して、

少しずつ何かを手に入れてきたような、

何もかも失ってきたような・・・

たぶんその両方なのかな。


手に入れたいと思ったものの殆どは私の手から零れていったけれど、

今の私は確かに幸せだと思います。

今の自分と、愛する夫と、かけがえのない友達、そして音楽。



キャロル・キングとの出会いを、実は私は2度ほど逃しています。

1度は中学校の教科書、

2度目は島田歌穂さんのカヴァーアルバム。

どちらも載っていたのはYou've got a friendという、

キャロル・キング最大の代表曲でした。


いつでもどこにいても、

私の名前を呼んで

あなたの許に駆け付けるから

あなたには友達がいるんだよ


・・・若かった私は、

何てエセ爽やかな曲だろう、と毛嫌いしてロクに聴きもしませんでした。

小さい頃から私はいじめられっ子で、

家でも親に怯えて、

たぶん誰のことも信じていなかったし、

そもそも人を信じることがどういうことかもわかっていなかったのだと思います。

私はひたすら孤独で、ひたすら自分を自分で否定して、

そんな苦しみの雲間に差し込むような鮮やかな光を

愛だと信じて求めていたような気がします。



あれからまたたくさん、たくさん苦しんで、

苦しむのに疲れて、

私は夫と出会いました。

夫と出会って、私は生まれて初めて、愛することと信じることを知りました。

そして、自分にとっての幸せというものも。


安らかな気持ちで周りを見回した時、

私の周りには私を見ていてくれる友達がちゃんと、たくさんいました。

友達がいてくれるということの貴重さに、

私は初めて心から感謝せずにいられない気持ちになりました。。

私が自分の心に閉じ籠もって、

自分が苦しむので精一杯で周りを平気で傷付けてきた間、

友達はどんな気持ちで私を見続けてくれていたんだろう、と思ったら、

恥ずかしくてたまらなくなりました。

だから私は、もし私の友達が苦しんでいたら、

絶対にずっと見ているよ、側にいるよ、と伝え続けようと決めました。


人生にはもしかしたら苦しみしかないのかもしれない、と

思ったことがあって初めて、

友達がいるって凄い素敵なことだな、と思えるようになりました。


キャロル・キングが歌っていたのも、本当はそういうことなんだな、と

今はわかるようになりました。


辛いときは必ず駆け付けるよ、なんて言っても、

本当は電話が繋がらなかったり

何だかんだで都合が付かなかったりして

なかなか会えなかったりする。

世の中そんなもんだと、嫌というほど思い知らされてきた。


だからこそ、敢えて言う、

「友達がここにいるよ」という言葉は

なんて切なくて、なんて重く、美しい言葉なんだろう、と今は思います。


キャロル・キングの曲を聞いてきて、

私は成功だけが人生ではないし、失敗だけが人生でもない、

そういうことをずっと教わってきたような気がします。

不器用で失敗だらけの私の人生の、

ずっと傍にいてくれたのは、キャロル・キングの音楽でした。


私の人生にキャロル・キングの音楽があるって、

凄いことだな、と思います。

もしもまた苦しみが私の人生に訪れたとしても、

私の人生にキャロル・キングの音楽がある限り、

また苦しみを受け入れて静かに生きていけるような気がします。


もし悲しみなんて何の役にも立たないとしても、

悲しみの分だけ、音楽が輝いて感じられるなら、

それだけでももう充分じゃないかな。

そう今感じられるのは、

やっぱり今私が幸せだからなのかもしれないけれど。


とりあえずそんなわけで、

私の静かな人生に、キャロル・キングのコンサートという体験が刻み込まれました。

コンサートの日は過ぎ去ってしまったけれど、

コンサートを体験した私が今ここにいるんだな、ということを

日々実感しながら毎日を過ごしています。



今日も生きていることに感謝。

あなたが生きていることにも。