DVDで、竹内結子・妻夫木聡主演『春の雪』を観ました。
色んな現実的な見方はできるんですけど、
フィクションとして、ファンタジーとして、好きな映画だと思いました。
物語は、何を書くかではなく、どう描くか、だと云います。
その「どう描くか」で、原作の三島由紀夫と行定勲監督にやられた感じです。
好きなのにつれなくしてしまうとか、手に入らなくなったとわかった途端に欲しくなるとか、
だめだとわかっていながら溺れてしまうとか、話の筋自体は子供っぽさ全開ですけど、
子供っぽいひたすら我が儘で無責任な恋をとことんまで貫いてみたいという狂気のような執着を、心の奥底の方から呼び覚まされたように感じてしまう映画でした。
あんな恋がしてみたいとは思いません。
あんな恋を体験させてくれてありがとう、と思いました。
現実と向き合うのはとても大事なこと。
でもだからといって、現実で叶えられないことが全て無意味な訳ではない。
現実を生きるうちにどこかに置き忘れてしまった大切なものを、
思い出させてくれる素敵な幻想を見た気がします。
情熱。
情熱の源、そのもの。
命のエネルギーそのもの。
命そのもの。
自分も周りも焼き尽くしてしまう力が一人一人の中に備わっているのに、
私達はそれを手なずけているうちに、その力の本来の大きさを忘れてしまう。
だから、たまには安全な方法すなわち芸術の力を借りてぶわーって強火にしてやんないと。
芸術は、爆発だ!
と岡本太郎が言ったのはこういう意味だったんですかね。
それにしても竹内結子演じる綾倉聡子姫、いい女でした。
無垢さと妖艶さのバランス、従順さと真の強さのバランスの取れたとても素敵な女性だったと思います。
役者さんとしてのことを言うと、ちゃんと役の人の目をしている女優さんだな、と思いました。
しかも少し低めの声もいい。うるさくなく、しかしくぐもり過ぎず、実に耳に心地良い声です。
その声が伯爵家令嬢役の品を出すのに少なからず貢献していたように思います。
竹内結子というと美貌(と、離婚ネタ?)ばかりが注目されがちかもしれませんが、演技者としての安定した実力も立派にあるいい女優さんなんだな、と改めて感じました。
・・・また女優さんのことを書いてしまいました。
でも妻夫木くんは好きなタイプじゃないので今回はスルーで。(あっさり)
ちなみに『春の雪』出演者の中で一番好きなのは榎木孝明さんですかね。
そういえば10代前半くらいに映画『天と地と』を見て惚れちゃってました。
渋すぎる子供ですいません。
あと、エンディングの宇多田ヒカル『Be My last』聴いて、
あー、宇多田の世界観の鬱屈っぷりって三島由紀夫と通じるんだなーって妙に納得しました。
実際彼女は三島を愛読書の一つに挙げてますしね。
ちなみに、私は学生時代に『金閣寺』と「仮面の告白」だかに二度ほど手を出して挫折して以来読んでません。
何か三島は私に恨みでもあるんかっつうくらい精神的なエネルギーを根こそぎ奪っていかれた覚えがあるので・・・びびってます。
まぁそろそろ手を出してみてもいいかな?!
三度目の正直?!
とっ、とりあえず『春の雪』の原作にでもおそるおそる挑戦してみますかいね。
長そうだけど。
たぶん近日中に挫折のご報告ができることと思います(笑)。
ではでは今日はこのへんで。
ごきげんよう。(←令嬢風のつもり。)