今更ですが、去年公開の映画『ユナイテッド93』をDVDで観ました。
良かったです。
こんなに心の底からいいと思った映画は久し振りです。
見終わった後もずっと余韻が残って、暫く少しふわーっとしていました。
TSUTAYAに返却に行った時、他の映画をしばらく見なくていいや、と思いました。
色んなドキュメンタリーやノンフィクションが溢れる世の中で、
これほど誠実で真摯な映画を私は知りません。
9.11の時ユナイテッド航空93便に関わっていた全ての人達に対して、
人としての敬意を強く感じる映画でした。
特典映像には実際の遺族の方々への取材の模様も収録されていたのですが、
遺族の方々のどんな言葉にも負けないくらい、映画本編はユナイテッド93の乗客乗員の方々そのものを生き生きと感じられた気がしました。
本当に・・・何と表現していいのかわかりません。
正直、私ごときにこの映画を語ることはできない気がします。
でも、拙いなりに、どうか語らせて下さい。
何が正しいとか、何が正解だとか、そういうことを決めつけずに、信じてしまい過ぎずに、
本当にありのままを描こうとした映画なのだと思います。
何かを信じ過ぎてしまったテロリスト側の人間さえも、ただ、何かを信じ過ぎてしまった一人の人間として、淡々と描かれていました。
決して悪の権化としてではなく、一人の誰かを愛している人間として。
同じ人間が人間として憎しみを持ったり、恐怖を持ったり、勇気を持ったり。
いや、言葉で単純化しては違ってしまう気がします。
人間の中にある感情も本能も、混沌を混沌のまま描いている映画でした。
美しさ、とすら言ってはいけないのかもしれない。
決してそんな生易しいものではなかったです。
この映画で出てくる勇気はハリウッド大作映画のスーパーヒーローのようではないです。
恐怖や絶望の中で生まれる気丈さや誇り高さがどんなものか、そこにいた人達にしか分からない。
気が弱いから絶望する訳ではないし、初めから勇気があるからテロリストと闘った訳ではないかもしれない。
だって人間だから。
ここで今生きている私と同じ、生きていたいと思う人間だから。
どんなに取材しても、どんなに思いを馳せても、届かない距離がある。
時間は戻らないし、亡くなった人は生き返らない。
それでも、真実を知りたい、感じたい、同じ人間だから。
そういう映画を作った人の心の真っ直ぐさにも、勇気をもらいました。
どんなふうにこの映画を語るよりも、私はただこの映画という体験を心に刻んで生きていこうと思います。
私の人生にこの映画という体験が存在するということに、心から感謝したいと思います。
そう思えば思うほど、ユナイテッド93の乗客乗員の方々一人一人が亡くなったという事実が、心に重いです。
人一人が死ぬことの重さ。
人一人が生きていることの意味。
これから何かに迷った時に、この映画に戻ってこようと思います。
家に帰れなかった人達が、私の心に帰る場所をくれました。
一度も出会ったことのない人達だけど、私の心にとって家族のように大切な存在になりました。
上手く言えないけれど、私がこんな風に感じていること、そしてそれを誰かに伝えたいと思うこと、それだけできっと意味があるんだと信じたいです。
そうそう、この映画を見てこんな風に感じて、広島・長崎の原爆のこととか、太平洋戦争の時の沖縄戦のこととかも、私はもっとちゃんと知ろうとしなきゃいけないな、伝えていかなきゃいけないな、と反省しました。
戦争も事件も時が経てば忘れ去られていってしまうものかもしれないけれど、
そして過ちを繰り返すのも人間の人間らしさなのかもしれないけれど、
一人の人間が生きていることの重さを教えてくれる人達の思いがいつもすぐそばにあることに、私達は感謝しながら生きていった方がいいんだろうな、と思います。
こんな短い、不格好な文でごめんなさい。