「推しは推せるときに推せ」

これは、本当によく聞く言葉です。

 

人生の先輩が、他担が、違う界隈の人々が、今は追えなくなった背中を思い出しながら「推しは推せるときに推せ」と、寂しげにつぶやく姿は、とても説得力があります。

 

今あるものは、当たり前じゃない。

この関係性に、永遠なんてない。

 

「推しは推せるときに推せ」

推しが表舞台を去ってしまったら、「推すこと」が出来なくなってしまう。

当たり前に推しがいる世界線は、そんな簡単な事実を忘れさせてしまうことがあります。

 

いつまでも表舞台にいるわけじゃない。

今の関係性が、永遠に続くわけじゃない。

今日も、ネットのニュースを見ながら、その思いを嚙み締めました。

 

 

その昔、私は嵐の大野さんを推していました。

国民的アイドルの嵐は、冠番組があり、新曲もバンバン出していて、個々のレギュラー番組やラジオも持っていて、とにかく大活躍していました。

私の中で特に印象に残っているのは、嵐の15周年ライブです。

 

嵐のデビュー会見は、ハワイで行われました。

その原点に立ち返るという意味で開催された、15周年のハワイライブ。

この時、グループの勢いは絶頂。

嵐はハワイに一週間滞在し、グループの冠番組は「ハワイ特番」としてハワイロケを敢行。

個人が出演する番組も、ハワイで収録が行われており、大変な盛り上がりでした。

 

国民的アイドルグループと呼ばれ、個人の活躍も目覚ましく、常に安心してみていることができた嵐。

5人の仲も良く、何事も問題なく、ずっとこの関係性が続くのではないかと、私は錯覚していました。

永遠を、信じたいと願ってしまう瞬間が、ありました。

ただ、そうじゃなかった。

 

ハワイのライブから、6年後。

2020年12月31日、嵐は活動を休止しました。

 

 

嵐が2020年12月末日をもって活動休止する旨の発表がされたのは、2019年の1月。

活動休止までは、約2年の期間がありました。

 

私は、その当時の心境を文章に残しています。

最近、当ブログに移してきたばかりです。

 

当時、発表を聞いたときには、本当に信じられなくて。

でも「VS嵐」のハワイ特番で、酔ってほわほわして涙を流している大野くんを思い出しながら、どこかで納得したのも覚えています。

 

私は、嵐のライブに参戦したことがありません。

活動休止が決まってからも、足を運ぶ機会はありませんでした。

さらに、2020年は世界がコロナ禍に突入したことで、ありとあらゆる「活動自粛」という憂き目に遭います。

 

嵐が活動休止するその年に、ツアーが行われないなんて誰が想像したでしょう?

嵐が活動休止する、最期のその日が、無観客の中で行われた配信ライブになるなんて、そんなことが起きるなんて、本当に信じられませんでした。

 

ファンも、関係者も、おそらく嵐の5人も、想像できなかったはずの未来。

それでも、嵐の5人は活動休止を発表してからの2年間を全力で駆け抜け、ファンはその姿をこの目に焼き付けようと、全力で彼らを応援していたはずです。

 

私はブログの中で、嵐の活動休止について、次のように心境を記しています。

 

今回の「活動休止」について、私は思ったほど驚いていない。
「その時が来たのだな」と、神妙に受け止めるに過ぎない。

とは言うものの、悲しみは胸の中にあとからあとから湧き出てくる。
あの圧倒的なパフォーマンスが見られなくなる。
新曲が聴けなくなる。

それは、とてつもなく寂しい。

 

実際、当時は悲しくて悲しくて仕方がありませんでした。

当然のごとく抜け殻になったし、なにを見てもため息をつくような時間が、かなりあったと思います。

「推しは推せるときに推せ」この言葉を反芻して、ライブに参戦していなかったことを海よりも深く後悔したりもしました。

 

ただ、それはそれ。

ひとしきり、悲しいとか、寂しいとかを思った後に残ったのは「それでも、彼らを応援したい」という気持ちだけでした。

 

でも、やはり私は「大野智」を応援したい。
嵐では無くても。
メディアから彼が姿を消しても。

もう二度とその姿を追えなくとも。
きっと、どこかの空の下でキラキラ輝いているのだろうと、確信できるから。

二十代、三十代という最も体力・気力ともに充実していたであろう時間を、彼はファンに捧げてくれた。
それ以上、何を求めようというのか。

 

いちファンとして、推しの幸せを願い続けたい…それが、私の気持ちでした。

大野さんが、違う道へ進むことを望むなら、そんな彼を応援したい。

彼が自分の心に嘘をついて、未来を諦めてほしくは無いと、そう思いました。

 

人の心も、理想も、時代も、人と人との関係性も、常に流動的で変化していくものです。

万物流転。

昭和に生まれ、平成の世を駆けた彼らは、令和の時代にグループとしての歩みを止めた。

ただ、一人ひとり歩む道が分かれただけで、彼らは誰一人として歩を止めてはいません。

 

いつだって、今だって、同じ空の下でキラキラ輝いています。

そう思えば、悲しいことは無い。

今は、そう思います。

 

 

時は流れ、私はKAT-TUNの中丸くんに惚れました。

ファンクラブに入ったのはKAT-TUNが初めてで、うちわを買ったのもKAT-TUNが初めてで、おそらく直接お目にかかるのも中丸くんが初めてです。

毎日ドキドキワクワクしながら、彼らの活動を見つめ、ともに歓喜し、感情のアンテナ全開で生きています。

嵐が活動を休止した時には、自分にこんな未来があるなんて、考えたこともありませんでした。

 

事務所の形態が変わり、STARTO社が動き出し、これからどう転がっていくのか先行きがわかりづらい、そんな時代です。

それでも、私はKAT-TUNがいてくれて幸せで、中丸くんに出会えて超絶HAPPYです。

 

ただ、私はこの関係が永遠ではないということは、頭の中で理解しています。

かつ、KAT-TUNが歩んできた道のりも「この関係が永遠ではない」と、理解するに十分すぎたのではと、思います。

 

アイドルがアイドルを続けていくのは、当たり前じゃありません。

グループがグループの形を保っているのは、当人たちの並々ならぬ努力と苦労の賜物で、彼らの存在自体が奇跡のようなものです。

 

いつどうなるかは、わからない。

でも、だからこそ全力で応援しようと思います。

「変わらないままでいて」と、望みはするけど、それを強いる術はない。

 

心も、感情も、理想も、夢も、変化していくものなのだから。

ずっとずっと、輝いているあなたが好きだから。

推し様がどんな未来を選んでも、私はそれを受け入れると思います。

受け入れて、全力で応援することが、感謝を伝えることになるのかなと、そう思います。

 

ファンが推しを縛ることはできない。

それと同じように、アイドルがファンを縛ることもできません。

 

アイドルである彼らは、勝手に好きになって、勝手に離れていくファンの子たちを、数多く見てきていることでしょう。

ファンがアイドルを縛れないように、アイドルがファンを縛ることもできない。

応援したければ、応援すればいい。

去りたい人は、去ればいい。

 

彼らの人生を妨げることも、その道をふさぐことも、許されない。

だって、彼らには彼らの人生があるのだから。

 

突き詰めていくと、そんな思いに至ります。

勝手に好きになって、勝手に応援しているのだから、邪魔はすまい。

無粋もすまい。

そんな思いです。

 

でも、だからこそ、応援できるこの瞬間は、力いっぱい応援したい。

脳みそがとろけるほど「好き!!」と叫んで、この快楽に酔いしれていたい。

推しがいる、推しに会える、推しを推せる!!!

そんな幸せが今あることに、感謝しながら推し続けたい。

 

この関係性が永遠じゃないってことは、知っている。

だから尊いし、だからもっと好きになる。

推しに会えて幸せです。

いつもいつも、たくさんの幸せをありがとうございます。

 

 

今日、Sexy Zoneの中島健人くんが、3月いっぱいでグループを卒業する旨が発表されました。

渦中にあるSexy Zoneのメンバーの皆さん、関係者の皆さん、ファンのみなさん、心中察するに余りあります。

悲しい、寂しい、苦しい、色んな感情が湧き上がってくると思います。

とってもとっても、わかります。

 

でも、私はファン向けのブログの中で語られた、菊池くんの言葉が全てだと思います。

菊池くんは、中島くんの決断を応援するそうです。

とても潔い、決意が感じられました。

 

今この瞬間、ケンティーを思って、ケンティーの去り行く背中を想像して号泣するファンが、全国にごまんといると思います。

軽々しく、「でも、ケンティーの決断を応援してあげよう!」なんて、私には言えません。

 

ファンが付くも離れるも自由なのだから、しんどかったら一度離れるのもアリだと思います。

それでもきっと、5人は5人が選んだ道を「正解だったね!!」と言える未来に、導いてくれるんじゃないかと、勝手ながらそう思います。

 

心のまま、あるがまま、いつまでも輝いていてほしい。

どんな未来でも、きっと彼らは輝いている。

 

私は、今の彼らに精一杯の拍手を送り続けようと、そう思っています。

たくさんたくさん笑顔をもらった恩返しに、ささやかながらできることをお返ししたい。

いま、私たちに出来ることを。

 

「推しは推せるときに推せ」

私は、こんなにも素敵な推しに会えて、とってもとっても幸せです。