伊東屋で買ったお気に入りのペンを手の中で弄びながら、窓の外に目を向ける。宵のうちから降り始めた雨は、いまだ降り続いていた。交差点に止まる車のワイパーの動きで、どれぐらいの雨かわかる。小降りになったとはいえ、こんな日に取材に出かけなければならないことに舌打ちしたい気分になる。

毎週、苦行のように行われる会議。堂々巡りで要領を得ない上司の話に欠伸をかみ殺しながら、頭の中は昨日会った男の指の動きを思い出す。

「あっ……あぁぁ…ん」

肌がじっとりと汗ばみ、今まで男にゆだねていた体が硬直し始める。
体からトロトロ流れ出る液体をまとわりつけた男の指が、あっという間に女の襞に隠れた丘を見つけ、いつもの繊細な動きで振動を与える。

その指の動きを逃さないように女は腰を男に押し付ける。自分から男に触って欲しい場所を教えようとする腰つき。

足の指先が反り返り、膣が収縮を起こす。
男の背中に爪を立て、呼吸が止まる。

意識が遠のいていく…。

「立ったまま、立ったままいっちゃうなんて、初めて…」

男はさらに指を立てて攻める。
膝の力が抜け、立っていられなくなり男に身を任せる。

体の自由を奪った男は、女に様々な痴態をとらせて辱める。

それに刺激されたのか、男は女の体を突き破る。
ずっとじらされていた女は、男の硬い感触に体がさらに深い快感を味わう。
体の奥に電気が走り、襞という襞が男に吸い付いて離そうとしない。

男は女の体に腰を打ち付けることで、女の意思を削ぐ。
男は女の両腕を縛り上げる。
意のままになった女をさらに辱めるようとする。
拘束された女は、男にされるがまま体を開いて行く…。


つまらない会議の間、昨日の男とのセックスを反芻していると、息を吹き返した体から熱いものが流れ出る。

退屈な時間が終わり、社内の一人になれる部屋へ。
立ったまま壁にもたれかけ、じっとりと湿り気を帯びた下着の隙間から指を入れ、襞をかき分ける。
探し当てた小さな丘に汁を絡ませた指で、自分の好きな振動を与える。

あっという間に頭の中が白く光る。

固く敏感になったその丘に、休まず刺激を与え続ける。
声をこらえるのが辛いほどの快感をむさぼる。
さっきまで退屈な議論をしていた部屋の隣で。

しばらく快感を味わった後、何事もなかったかのように席に戻り、いまだ熱くうごめく体の余韻を味わいながら画面に向かい、小さな丘に振動を与えてくれた指でキーボードを打ち始める。

暑く、長い午後が始まる。

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優しい衝動

体を重ねるかも知れない相手との食事は、
様々な感情が沸き起こり、独特の楽しさを感じられる。
今回は、ペルー料理を選択。
以前、話をした時に興味をもってくれていたようなので、
その店を選択した。
興味を惹かれる料理が、メニューに並ぶ。
二人だと限られたものしか口にできないので、
注文にも迷いが出る。
外せない料理二品と、直感で選んだ二品、ペルー産ビール。
これだけでもかなりのボリュームで、結局食べ切れなかった。
なんだかんだで、知り合ってから5年近く経つ。
途中、連絡が取れない時期が1年近くあった。
その辺の話、最初に互いに興味を持った時の話。
そして、今の話。
彼女と会うと、必ず話題に出る、最初にあった日の話。
しかも、あのスペシャルな30分は、私も忘れることは無いであろう。

店を出る。
この日は、彼女を抱きたいと思った。
彼女も同じ気持ちで居てくれているように感じていた。
行き場所は一つ。
あとは、どこにあるかを探すだけ。
それも、独特のネオンを発見し、貴重な時間を無駄にすることは無かった。

部屋に入り、自然と距離を縮める。
唇を重ねた後の、嬉しそうな顔が印象に残る。

お風呂で軽くいちゃついたあと、場所をベットに移す。
裸で横たわる彼女に身を寄せ、その体温を感じる。
長めのキスで、体の感度を高める。
唇が彼女の体の上を遊び、最後に乳首を含む。
同じように下半身をうろついた指先が行き着く先は、やはり膨張し硬さを増した
クリトリスであった。
その二点を集中的にいたぶることで、軽い絶頂を迎える。
いつもだと、恥ずかしさが先に立つようで、
私が脚の間に顔を埋めることを好まなかったのだが、
今回は積極的に受け入れてくれる。
脚を大きく開き、私の舌の動きを確かめるように、腰をくねらせる。
二本の指も素直に受け入れ、何度も小さな痙攣を起こしている。

彼女の目つきが、変わる。
私のモノを欲する言葉を吐き、体を寄せてくる。
私は、その願いを素直に受け入れた。

頻繁に体位を変えることを好まない彼女。
接触の大部分は正面からだ。
それでも、体の位置や角度を変えることで、
いくつかのバリエーションを持たせることが可能だ。
が、特定の部分を、徹底的に突き上げる。
堪えきれなくなったのか、諦めの叫びと共に
熱いものがほとばしるのを、股間の辺りに感じた。
「まだ、出ちゃうよ」
そう言っては、どこから湧き出るのか不思議な神秘の液体を噴出す。
途中から、どこを突けば耐えられなくなるのか理解した私は、
時折、そのポイントを集中的に圧迫し、
人体の不思議に感嘆するのであった。

その日の私は、大きさ硬さ共に、感嘆に萎えることがなく、
どこまでもベストの状態を維持している。
多分、彼女の見せてくれる反応が、いつも以上に官能的で、
隠し隔ての無いストレートなものであるからだと思われた。
私を勃たせ続ける重要な要素は、まちがいなく、相手の女性のリアルな反応であ
る。
包み隠さず、全てをさらけ出し、普段は見せないような姿に溢れ、声が響く。
その日の彼女は、そんな風に感じられた。

彼女が未だ体験したことの無い、中イキ。
彼女を体を交わす時には、意識しないようにしても
意識してしまう、ひとつの事実。
その日、彼女をそこへ導く可能性を感じた。
根拠は無い。
が、そう思えた。
結局、それは実現しなかった。
が、それに近づけたことは、なぜか嬉しかった。
そのことに、どれほどの価値がわるかはわからないが、
嬉しいのだから、仕方が無い。

「どうしちゃったの? なんか、かわいい」



待ち合わせの場所に着くと開口一番、紺はそう言った。

そんなこと言われても…と、少しとまどう。



朝からの雨でせっかくカールした髪は伸びきってしまっている。
久しぶりのデートなのに、私としてはとても不本意。
けれど、それが彼の好みだったのか、それともペルー料理ということで
カジュアルな雰囲気だったからなのか。
とにかく、この日、彼の口から何度も「かわいい」という言葉が出る。
美味しい料理を食べながら、手をつないで歩きながら、そしてベッドの中でも。
珍しく彼がビールを飲んだせいなのかもしれない。

彼が絶賛していたペルー料理屋へ。
柔らかくてスパイシーなハツの串焼き、
ガーリックの香りが食欲をそそるジャガイモのチーズソース、
スパイスが効いた食感のいい蜂の巣、
その大きさに驚きながらも柔らかく仕上がっているチキンカツ。
今まで食べたことのないスパイスと味付けに食が進む。

そして会話も弾む。

仕事のこと、写真のこと、初めて会った頃のこと。
彼が「嫌われちゃったんだよね」と言った頃のこと。
嫌いになったわけじゃない。
好きになってしまいそうでブレーキをかけただけ。

でも、思い出話ができるようになった今の関係は心地いい。
もちろん、今も彼が好き。
その「好き」にどんな意味があるのか、そんなことはどうでもいい。
今度いつ会えるかわからないし、今日を最後にもう会えないかもしれない。
そんな緊張感が心を浮き立たせてもいる。

すっかり食欲を満たした二人は街を散策する。
次に満たしたい欲望の場所を探して。

歩きながら、彼と体が触れ合う。
少しだけ触れた彼の体から伝わる体温。

あたたかい。
あたたかのに、冷たい。

それが彼と私の距離なのかもしれない。

くっつき過ぎてはいけない。
けれど、とってもくっつきたい人。
それは今の私にとって、とてもいい感じの距離感でもあるわけなのだが。

指先から感じるぬくもり。
彼の唇が触れる肩先、時々触れる唇。
体から雫が滴る。恥ずかしいほど。

二人の部屋。

これからこの部屋で起きることに、少女のように胸をときめかせ、
それを思うだけで濡れてしまう。
久しぶりに感じる彼のしっかりとした腕の力と、
優しい舌使いに、体の力が抜けていく。

彼の繊細な指使いが裸の私を弄ぶ。
私の体は硬直し、まぶたの裏が白く光る。
何度も波が押し寄せ、その快感を味わい、むさぼる。
気がつくと彼の指が舌に代わっている。
自分の体から滴る雫と彼の唾液がまざりあって起きる音。
ツボを押さえた舌の動きに耽溺する。

そして、もっと強いものが欲しくなる。

「ねぇ、きて」

悔しいけれど、いつも彼は私にそう言わせる。


彼が私の体を突き抜けるように入ってくる。
好きな瞬間だ。
男の猛々しさ、獰猛さを感じる瞬間。
どんなに紳士で優しい男性も、この瞬間はオスと化す。
私はメスとしての充足感に満たされる。


今夜の私の体は吸い付くように彼にまとわりつく。
彼を離さないようにまとわりつく、私の、あそこが。


彼は狙う。
私の体に異変を起こさせようとしているのがわかる。
執拗に攻め続けられ、あえなく私の体は反応してしまう。

何度も、何度も。

それだけでは終わらせてくれない。
私を高みに登らせようと体を密着させて攻め続ける。
一番敏感な部分が彼の体にこすられながら、
彼の固くなったものが私の体の中心を痙攣させる。

恥ずかしげもなく声をあげてしまう私。
もっと、もっとと思いながら彼の体にしがみつく…。

もっと、もっとぉ……


今も余韻に浸っている。

あの時、きっと彼が私を連れて行ってくれるんだろうと感じた。
理屈じゃなくて、子宮で。

もう少し、もう少しだったのに。
博多もつ鍋屋で食事をする。
モツそのものがとても甘く、醤油ベースの出汁によく合う。
半年前に直感だけで好感触を得た店は、なかなかなのは嬉しい。
美味しい料理とお酒が、彼女の口を軽くしたのか?
再び私に会うようになった理由をいくつか口にした。
見かけによらず、エッチなのが良いというのが、褒め言葉かどうかは微妙だが、
私自身がうれしいと感じるのだから、それでOKである。
その他に印象に残った理由。
それは、
「絶対にストーーカーにならないタイプでしょ(笑)?。」
・・・・正解。

先のことを「絶対」をつけて断言することは出来ないが、
私がストーカー化することはまずありえないとは、自分でも感じる。
様々な経験の上で、その条件は、彼女にとって重要なことのようであった。

食事の最後に、プレゼント交換。
お互いに気分を良くして店を出る。
お酒は飲んでいなかった私は、車に乗り込む。
彼女は助手席へ。
おもむろに、次に行きたいところを尋ねると、
「大きな声ぢゃ言えない所。知ってくせに・・・」
と小声で答える。
そこ回答に応えるべく、とあるICの傍の、
ちょっと派手目はホテルへと車を走らせた。

地元のホテルは殆ど使わないので、初進入となる。
特徴のないシンプルな内装。
なかなか電気が消えず、苦労したのは愛嬌である。

部屋に入るなり、首に腕を回し、体を寄せてくる。
外で会っているときとは明らかに違う表情を見せる。
特に、伺いしれない期待を宿したその瞳は、不思議と私の心を打つ。
されるがままに、唇を重ねる。
何度も、何度も。
長いくちづけの時間を経て、彼女はベットに横になっていた。
もちろん、私が誘導したのである。
丁寧に、着ている物を剥いでいく。
同じく私も、着ている物が剥ぎ取られていく。
下着姿のまま、互いの体温を確かめ合うように、
激しく抱擁を繰り返す。

かなり手入れに気を使っているのであろう。
滑らかな肌触りが心地よい。
私の唇が、耳元や首筋、肩に触れるだけで、我慢できないような
鼻にかかった湿った声を上げる。
出会った頃は、声を出すことも感じることも我慢をしているのがすごく伝わって
きた。
恥ずかしさが先にたっていたらしい。
だが、長い期間を経て再会したときから、そんな障壁がなくなっていた。
会わなかった期間の彼女の経験がそうさせたのか、
私に対する見えない壁が崩壊したのか・・・。
その体の奥から出させる歓喜の声は、私の淫靡な魂を燃え上がらせる。
イマジネーションが膨らみ、恥ずかしい試みも躊躇なく表現できる。

彼女の場合、いわゆる敏感なスポットそのものよりは、
その周辺をゆっくりと触れてあげるのが、好みのようだ。
両手の指先を立て、触れるか触れないかの距離で、
背中全体を撫でる。
のけぞりながら、ゾクゾクと体を震わせる。
同じ要領で、尻、太腿、ふくらはぎ・・・、
舐めまわすかのように指先を動かす。
胸を下着から解放すると、その先は既に硬直し、
天井に向かってその身を誇示しているかのようであった。
思わずそれを口に含む。
硬いものが舌の先にあたる。
乳房を強く揉みしだく。

そして、最終的に行き着く場所はいつも同じ。
下着の端から指を入れると、あふれ出た愛液が指先に絡まってきた。
そのままクリトリスに指をあて、円を描くように動かす。
下着が湿り気を帯びてきているのが、外側からも良く分る。
役に立たなくなった小さな布を、片方の足首に引っ掛けたまま
普段人前に出る事の無い場所を、目の前に広げる。
深く突き刺した私の指先は、奥の方のざらつく肉の壁を丁寧になぞっている。
口はクリトリスを包み込み、舌先だけが動いていた。
声の出ない時間が長くなる。
息を吸い込んだまま、なかなか吐くことが出来ないようだ。
避妊具に手を伸ばすと、彼女が突如上になるようにのしかかってきた。
そこからは、今度は私が彼女の好きにされる番。
恥ずかしい場所も含め、彼女の舌が触れなかった場所は無いであろう。
そのまま、口でコンドームを装着され、上から挿入される。
私の肉棒を伝って、彼女の液体が私のお腹を濡らす。
私の目を見たまま、深く深く腰を動かす。
下からの見上げる角度は、本当に好きな角度。
自然と私の腰も上下に動く。
互いのリズムがスイングしだすと、心地よさが倍増する。
先っぽを圧迫する肉の壁の痙攣と、根元を刺激する膣口の伸縮。
射精なんていう瞬間的な快楽と引き換えに、失いたくない気持ちの良さであった


ここで、正上位に。
ここから、私が主導権を握る。
本領の発揮に全力を注ぐ。

彼女は中でイった事がない。
残念ながら、私も、その壁を破ることが出来ていない。
もう少しだったのにぃな瞬間は、何度かあったらしいのであるが・・。
指や舌では、結構簡単に頂点に登りつめるのであるが、
挿入状態で絶頂を迎えることが出来ない。
「え?気づかなかったの?」
と彼女から言われちゃうほど、いつの間にか達するのが得意だ(笑)。

しかし、人間とは面白いものだ。
彼女は、別のエクスタシーの感じ方を体得したのだ。

正上位のまま、ゆっくりと腰を押しつける。
硬くなった私の分身が、彼女の膣の中の特定の一箇所を刺激し続ける。
なるべく、同じ場所を突くように腰を動かす。
バリエーションに走らず、とにかく一点集中である。
それを続けていくと、彼女の表情が変わってきた。
上半身が赤く熱くあり、声に震えが加わる。
途絶えがちな喘ぎ声が、その瞬間が近いことを教えてくれる。
「だ、だめぇ。もう、ダメ」
そう前触れしたとたん、私の下半身に勢い良く熱い液体が噴射された。

彼女が潮を吹いたのだ。
それも、半端な量ぢゃない。

潮を下半身に受けながら、私は腰を動かす事を止めない。
すると、またしても大量に噴出す。
シーツは、大量の水分を含み、急激に冷えてくる。
その上には居られない位に。
そこで一度離れ、シーツの上にバスタオルをひく。
再び、挿入する前に、今度は指で奥を刺激する。
目の前で、大量に噴出す潮を目撃する。
この液体はいったい何なんだろう。
目にするたびに湧く疑問。
いつか研究の対象にしたいものだ。

更に続けて挿入しよーとすると、
「ちょっと休ませて!」とギブアップ宣言。
「女からこんな事言われるなんて、勲章でしょ」
と途切れ途切れの声で、冗談を言う。

潮まみれな体をいったん綺麗にするため、
一緒にお風呂に入る。
ちょっと狭い湯船に一緒に入る。
女性と入るお風呂は、なぜ、こんなに気持ちが良いんだろう。
貸切露天風呂なら、何もいうことないのになぁ・・・。
なんて事を考えちゃうくらい、心地よい。
そー言えば、お風呂に入る前に、彼女はトイレにいっていた。
アレだけ出したのに・・・本当に不思議だ。

お風呂から上がって、しばらくは密着状態で、
昔話などを。
そして、またまた彼女のやりたいことを沢山聞かせてもらう。
本当に冒険心の強い人だと思う。

その後、もうふた吹きぐらいしてもらい、
ホテルを後にした。

今度は、あまり間隔を空けずに会う事が出来そうな予感を残しつつ、
車から降りて駅に消えていく彼女の後ろ姿を見つめていた。

年が明けて仕事始めの日に紺からのメール。

「約束していたもつ鍋にいい季節になったね。
毎日寒いから、三緒に温めてもらいたい。」

と。

「行く行く~」

と返信したいところだけど、ここはクールに。

「日曜日ならいいよ。」


待ち合わせ場所に現れた紺はヒゲのせいかちょっと男っぽくなっていた。
逢うたびに新鮮な感じと、懐かしい気持ちが交錯するのは彼だけだ。

半年ぶりのデートでもつ鍋を食べ、逢えなかった間の様々な話を。
仕事のこと、サッカーのこと、私は会話が途切れるのが恐くてひたすら話し続ける。

なぜ。

話が途切れると、紺はじっと私を見つめる。
初めて逢った時からそうだった。
その視線が、私は恐い。
彼の視線は私を裸にしてしまう。

お酒も入っていい気分の私。
お腹いっぱいになった彼。

お店を出て自然と手をつなぐ二人。
欲しかったぬくもりだ。

そして紺の車で淫靡な部屋へ。

昴


部屋に入ってコートを脱ぐなり押し倒され…長いキス。

彼はキスが好きだ。
そんな彼の優しいキスが、私も好き。
ずーっとしていたいとの思いを込めてキスをしていたら、

「なんか、キスが前と違う」と紺。

優しく服を脱がされ、スリップと網タイツ姿にさせられる。
網タイツを脱がされ、すっかり濡れてしまったショーツを彼が指でなぞる。

「凄い、こんなになってる」

紺のささやきと優しい指使いに体の奥からとめどなく溢れてくる。
彼の指使いは私の理性を狂わせる。

たまらなくなった私は、紺を求める。
彼を押し倒し、デニムのベルトを外し、ボタンを外そうと。

「これ、外すの難しいよ」

私はにっこり笑い、一瞬にして外してしまう。
そこには私の愛しいものが猛々しくなって待ちかまえていた。

指で、唇で、舌で紺を慈しむ。

我慢できなくなった昴は切なげに「入れたい…」

私は紺の上にまたがり、腰を沈める。

雌になって激しく動く。
母でもない、妻でもない、女でもない、ただの雌になる。

彼が下から突き上げてくる。
体中に電流が走る。
宙に浮く感覚に体が震える。

今度は彼に組み敷かれ、様々な形で交わり続ける。
足を思いっきり広げられる、持ち上げられる。
恥ずかしい…けれど何度も登りつめそうになる。


温かいものが私から流れ出る。
彼を濡らす。

涙が頬を伝う。
私の涙を見て満足そうな紺。

ベッドは潮の海。

指でいじめられ、さらに潮。
こんな潮の海は初めてのこと。

私はどこまでいくんだろう。
紺にどこまでいかされるんだろう。

お互い他の女、男の影がちらつく二人。
けれど二人が会う時は相手だけを見つめる。


「きれいだよ」

「かわいい」

と、紺。


「だい好き」

と、私。


やっぱり離れられない。
1年に1度しか逢えなくても。