10日に下北沢で、劇団ブルドッキングヘッドロックvol.23『少し静かに』の千秋楽を観てきました。
http://www.bull-japan.com/stage/a_little_more_quiet/
劇団ブルドッキングヘッドロックは気になりつつもまだ行った事なくて、、
でもこの劇団の脚本書いてる喜安浩平さんが脚本書いた映画の『桐島部活動やめるってよ』が面白かったし、日本アカデミー賞ノミネートと映画の大賞受賞で波に乗ってる時に見なきゃ損でしょうとも思い行ってきました。
チケット取ったのは前日の昼。
座席は特設って感じに作られた前から2番目の席!!ステージ近い!!そもそも劇場狭い!!www
最前列の人なんて、膝とステージとの距離が40cmもなかったです。
小劇場はあんまり数行った事ないんですが、役者さんの熱気が直に生身に伝わってきて好きです。
『少し静かに』の脚本は喜安さん、演出は西山宏幸さんというブルドッキングヘッドロックの主催者さん。
演出を喜安さんがやらないのは初めてなんだそうです。
公演は2時間20分くらいのノンストップ。
お尻めっちゃ痛かったです;;
以下、ネタバレありで、気になった部分の感想を。
でも自分用のメモのつもりで書くので、読んでも話の筋とかはわからないと思います^^;
話しの構成は、二つのまったく繋がらなさそうな話しが、ステージを上下に分けて同時進行で進んでいき、終盤になって繋がるパターン。
片方が演じてる時はもう片方がパントマイムみたいに無音で演技してました。
舞台は現代のごくごく普通のクリスマスから。
シーンが変わる時に、音楽と共に舞台にわーっと20人くらい出てきて踊り狂ってた。
舞台右上に
12/24とか4/2とか日付が早送りの電子時計のように投影し時間の経過を表して、クリスマス、春、夏、秋?、そして次のクリスマスまでの一年間の話し。
主人公日比沢保は、やりたいことをがんばる
ことを放棄したまま下請け仕事で過ごし、憂さ晴らしで深夜にこっそり一人で隣の部屋に仕込んだ盗聴器で盗聴をしながらそれを元にリスナー0人のwebラジオ生放送をやっている、クリスマスパーティーは絶対行かない派。
一緒に部屋をシェアして下請け仕事をしていた仲間たちは、やがてその部屋を出て行く。
代わりに元いた仲間の大学の後輩の女の子、宇野が新卒事務員として入る。宇野は日比沢のパソコンの中を勝手に見て、保存されていた過去のラジオを聴き、また盗聴の存在に気付き、勝手に秘密を共有して私はあなたを理解してますアピール。
でも、仲間たちは盗聴の事は知っていた。知ってても黙ってた。
宇野が「なんでみんな盗聴止めなかったんですか?!なんで才能あるって本人に言ってあげないんですか?!」って責め立てた時に、広告代理店に就職して仕事では成功してる喜安さん演じる染谷が言
う「あいつには頑張ってもらわないと」「俺はあいつの才能見て、あきらめた側だからね」っていうのがずしっときました。人の才能見てあきらめて次に進める潔さってのもいい思うんですよね…才能無くても齧りつくしか能がない人間もここにいるので。と脱線。
日比沢は、誰も自分のことを見てないし聞いてない、だから誰も聞かないラジオの中継をしていた。(と私は解釈。)クリスマスパーティーに行かない
のは、下請け仕事でどうにか食って行ける現状から、現状から何かが変わるのが怖いから。でも周りはどんどん変わっていく。でも自分は事務所から出ない。出
て、自分に才能がないとわかってしまうことが怖いから。才能があると信じている反面、きっと才能ないんだとも思っている。
どこまで踏み込んで良くて、言ってよくて、どこが空気読むべきなのか、言うべき事かもしれないけどわざわざ言ってやるのも癪、仲間、他人、家族(離婚寸前の姉と義兄も出てくる)、人と人との一線を画す、その一線が人それぞれ違うっていうのが如実でした。
途中、俳優志望の警察官や、会社の人にお花見に呼んでもらない披露宴撮影の下請け仕事くれる取引先の人も出てくるんですが、そこもまたみんな自分
のやりたい事や本音や、人には言うけど自分じゃやれない。やらない。あきらめたりってのがじわじわガンガンあって、またそこを伝える伝えない、伝えろ伝えるなのやりとりがあって…
人間、言うのも黙るのも大変ですよね。
一方は
、
安アパートに住むバンドのボーカルの女性26…7?歳の乙部語里。
女子だけのバンドメンバーとの、たわいもない女子トークのクリスマス会準備から始まり、バンドメンバーにひとりクリスマス会ドタキャンされ、そこ
にビル清掃のバイトの口利きしてもらう予定のギャル系?女子とその腰巾着な地味な子持ちバツイチ2人参入。口利きしてくれるギャル系女子のいずれ先輩は言いたい放題のタイプで、挨拶後すぐに23歳で歳下とわかるも態度は変わらずいけ好かず…
と、まぁそこは本題ではないのですが、
・新しく決まったバイト先の歳下の先輩がいけ好かない。
・このドタキャンメンバー(ベース)はのちのち結婚でバンドも脱退(名前のみの登場)
・一度もセッションせずに日々を過ごしているうちに、メンバーのギターも脱退したいと言い出し大げんか。
・喧嘩中に、NHKのおじさんがたまりまくった受信料の集金に来る。
「言いたい事は言うのにこっちの言う事は聞いてくれない。歌で人を幸せにしたいっていうくせして、目の前の不幸そうなNHKのおじさんすら幸せに
できないくせに!」←とは言いつつ、NHKのおじさんが自動振込の話をふって、「いやあれはアレで言っただけでそれはまた話は別~」という、人巻き込み型のめんどくさい、でもわりとあるタイプの喧嘩で笑いつつもちくちく痛い…
結局は脱退して、だんだんとあれだけ大げんかしかバンドの話は遠のき、今度は清掃バイトでの人間関係や、男性バイトとの三角関係などに話が流れる。
話の内容はどちらも、どこかで誰かが現実に繰り広げているようなものばかり。
セリフも日常でよく聞く。よく聞きすぎて、観ながら反論したりうなづいたりしたくなるものばかりで、観ながら自分自身の現状や、どれだけ自分が他人の気持ち考えて動いてないかってことや、人の気持ちなんて人それぞれ違うんだからエスパーでもないのにわかるわけねーじゃんって自分ツッコミ入れたりと。
日常を客観的に観るのって不思議ですね。
怪獣も出ない。日本が沈没するわけでもない。
でもそれらよりもずっと苦しくて大変で疲れる。
二つの話は日比沢のwebラジオで繋がります。
乙部が、脱退したギターが故郷で祖母の介護をしつつ、こっそり覆面でバンド活動を続けていることを知り、その動画を探してネットサーフィンをしている最中偶然に、日比沢の生ラジオにたどり着く。
日比沢は、宇野がまた後で勝手にパソコンいじって後で聴くとわかっているけど、そんなのもうどうでもいいと、半ば自暴自棄でくだらない話を流していた。
0人のはずのリスナーが1人になっていて、慌ててラジオを終了させようとしたら、コメント欄に「聴いています。くだらないですね」という書き込み。放送を終えた主人公は過去の保存ファイルを全て消し、それからラジオも盗聴もやめる。
で、この後がなんかファンタジーで、
バンドの方の主人公の家に両親が遊びにきて、壊れたテルミンを父親が中途半端に修理したら、主人公の言葉を、空気で共鳴して他の人全員がおうむ返しのように声を出し、その言葉がラジオの男に届く。
「聞こえますかー?!」
という声が届く。
でも、次に20人くらいの激しいダンスが始まり、その後でそれは「あれ?なんか聞こえた?気のせいだった?」オチになるという…
ラストが…声が届くところのテルミンファンタジーで終えて良かったような…
演出面で面白かったなと思ったのはこの舞台のテーマでもある「音」の表現。
カラスの声、工事の騒音、雨音、生活音…これらが全て役者の声やアクションの音で表現されていました。
衣装は黒子とかじゃなくて、自分の役の衣装のまま。はじめは「なんで今そこにいるの?!」ってなるんですが、理解してしまうと「音」として受け入れてしまうものなんですね。
20人ぐらいで手や声で雨音を表現したのはインパクト大きかったです。
トイレの音は笑いましたwwwだってシルエットしかうつらないけど便器に座ってる人がいてずっとジョロジョロ言ってて、しかもそこに立ちションしてるんですもんwww
目覚まし時計の音やアラーム音も、まったく関係ない男だったり、それまでいっさい話しに出てない両親が音出していたり。
朝起きながらバイトに行きたくない歳下先輩の愚痴を独り言してる時の、時計の秒針の音をその先輩がカチカチ言ってる時は、なんていうか痛ましかっ
た。考えたくもないのに一日中そいつのこと考えちゃって苛つくって言いながらそれだから、リアリティはないのにリアリティが…ね…
少し静かにのタイトル通り、終始うるさかったです。
日常の音も、雑音も、色んな人の色んな言う事も、色んなものがうるさい。
はじめに書いた、シーンが変わるごとの激しいダンスは、意味はわからないけどパワフルでうるさくてうるさくて、季節から季節に飛ぶんですが、日常の少しずつのうるささを濃縮したようなうるささだなぁってこれ書いてて思いました。勘ぐり過ぎ?
それから色。
照明で、舞台が黄色に近いセピア色になるシーンがあって。少し静かになるシーン。これが私は好きでした。うるさいのは音だけじゃないんですよね。
色も時にはうるさくて。でも2トーンの世界のさみしいこと。静かな世界は好きだけど、色彩はあったほうがいいわーって思いました。
と、とりとめもなく感想書きました。
うーん…誤字脱字のチェックはご容赦くださいw
スカっとしたところもあれば、「あ、これあの時の自分だ」ってなって、自分の頭でっかちでカチカチの頭と言動に罪悪感を憶え、HPはだいぶ削られました。
面白かったけど、ところどころ辛かった…人のふり見て我がふり直せってやつですね。でも「これマジあの人にも見せてやりてーわ」ってのも観ながら思ったので、私もたいがい頑固です…
ラストのオチのオチは私の望むものではなかったけど、脚本、演出、照明、音響、そしてもちろん俳優さんたちも文句の付けどころ無く素晴らしかったです!
あ!そんなこんなでウシハナトビエイはまだ完成してません!
日比沢にならぬようがんばります!!