銀の仕上げと変色のお手入れ方法について書いてみます。
金属のお手入れは化学。私の大大苦手分野ですので、ちょっと本の手を借りながらも勉強がてら書いてみます。友達に化け学金属の専門家欲しい。
~いろいろな銀の配合
純銀は白く柔らかい。そのままだと柔らか過ぎるので、銅などを混ぜて合金にして強度を増して使う。
銀食器やシルバーアクセサリーでよく呼ばれるスターリングシルバーというのはシルバー925・・・1000分の924%が銀という意味。
主に銅を混ぜるが、粗悪品だど亜鉛が多かったりして「金属アレルギーじゃないはずなのに炎症が!」ということが…(経験談)
925、950、970が私の知ってる、日本でよく流通してる配合。でも金属屋さんに頼めばどんな配合でも作ってもらえる。決まりは無いです。作る時や出来上がった時に欲しい強度や色で使い分ける。色の違いは薬品使った仕上げになると中に含まれた銅が反応するので顕著に出る。
~いろいろな仕上げ
『鏡面仕上げ』
その名の通り鏡のようなピカピカ仕上げ
『梨地仕上げ』
金剛砂やガーネット粒を金属面に落として梨の肌のようなマットな質感にする仕上げ
『サンドブラスト』
梨地仕上げの機械バージョン。空気圧で吹きかけるので梨地仕上げと比べると均一的で強め。出来上がりが似ているのでサンドブラストを梨地仕上げと呼んでいる人もいますが、原理は同じでも仕上がりと手法は違います。
『いぶし銀・硫化仕上げ』
硫化反応を利用した黒色の仕上げ
『白仕上げ』
光沢の無い白色。高温に熱したシルバーを酸に入れる作業を何度も繰り返す技法で、シルバーの状態としては表面が荒れている状態。鏡面仕上げの表面がきめ細か過ぎる絹ごし豆腐だとしたら、白仕上げは木綿豆腐って感じです。
その他にも鏨や荒し鎚、リューターポイントなどで表面に模様を付けた仕上げ、荒めの紙ヤスリで均一に荒らしたり、シュロ刷毛でこすったり、墨とぎしたり、ならし鏨やならし鎚で打ったりと様々な方法があります。
銀の色上げは、この2通り。煮色仕上げは純銀に使うと特に色の変化はないですが、気持ちキラキラします。熱せられた事で表面がすごく純銀化するかららしいです。純銀と呼んでもまったく完全に化学式のAgではないらしく、厳密な事は知りませんが経験的にはたしかにキラキラします。純銀以外で煮色仕上げすると黄ばんだような色になってしまいます。
~酸化と硫化と塩化
銀は通常では「酸化」はしない。高温で熱した場合に酸化銀になる。
「硫化」は、空気中の亜硫酸ガスと反応して黒くなる現象。硫黄成分のある温泉や髪染め液などでシルバー製品NGと書いているのは、硫黄で硫化してしまうから。
「塩化」は、塩素と反応して黒くなる現象。硫化よりも被膜が厚く、簡単なシルバークリーナーでは落ちない。日光に当てると生成されるらしい。銀塩写真(フィルム写真?)はこの原理だそうです。
~日常のお手入れ方法
どの仕上げでもいえるのは『こまめに使う事』これに限る。変色してしまったものも使っている内に汚れが摩耗してまた綺麗になる。塩化したら別かもしれませんが。
セーム革で磨いてあげるのもよい。
使わない時は太陽光の当らない抽斗の中などに入れておけばok。
空気に触れないためにピニールパックに密封…という説もあるんですが、ビニールの材質に寄っては逆効果らしいので化け学誰か
…一度、お菓子の缶の中に入れたら水がついたのか缶が腐食し赤錆がふき、その赤錆が、銀ではなく銅だったんですが、銅に付着してしまい更に錆が食い込んでとれないし日に日に錆が広がっていく。ということがあったので、鉄の錆にも気をつけてください。怖いです。ちなみに錆はクリーナーではとれません。
羊毛は、羊毛を洗浄・脱色する時に使っている薬剤が反応してしまうので、フェルトの上に乗せたりして飾るのは可愛いけど腐食の原因になるのでNG。
『セーム革』
鹿やヤギのなめし革で、研磨剤は含まれていない。
軽い変色くらいなら磨いていればとれる。
手仕上げでの鏡面仕上げの最終仕上げにも使うので、鏡面仕上げにはこれが一番です。
研磨剤を含んでいないので地金が減ることはありません。
硫化仕上げの作品も磨けます。つやつやになります。
東急ハンズなどのクラフトショップで買えます。
~変色の対処法
『クリーム状の金属用研磨剤』
布にとって優しく磨き黒ずみを取り、使用後は中性洗剤でしっかり洗い流す。
洗い残しがあると残った薬剤から酸化がはじまる。←これが塩化によるものが多いそうです。
「ピカール」ホームセンターで売ってる金属用研磨剤 安価で缶にたくさん入っている。少し粒子が粗い。
「ウイノール」ピカールよりも粒子が細かく歯茎色
鏡面仕上げでセーム革だけで取れなければ、ウイノールを極少量セーム革にとり磨くのもおすすめです。布は繊維で細かい傷がついてしまいます。
白仕上げや硫化仕上げは、研磨されて銀色になってしまうので使えません。梨地仕上げはテカテカになります。
『液体クリーナー』
浸けるだけで綺麗になり、最近は市販でも手に入り易いクリーナー。
クリーム状のクリーナー同様、使用後はしっかり洗い流す。
白仕上げにも使えます。
浸け過ぎると変に白く変色してしまうのでクリーナーの使用書をしっかり守って使います。使い過ぎると変色が早まるようなるという話も聞きますが、まだ私は使って何年も経っていないのでわかりません。
珊瑚やパールなどがついたものには使えません。貴石は石の性質によりけりです。エメラルドは脂っ気が抜けると色が薄くなってしまうそうですが、サラダ油塗れば戻るらしいです。試した事はありません。でも脂性の人がエメラルドや瑪瑙、翡翠を身に着けると石がとても良い色に育ちます。
粗っぽい言い方ですが、クリームは金属を「削る」、液体は「溶かす」という方法です。
どちらも使わずに済むのが一番なので、こまめに使ったり、セーム革で磨くようにして日頃からお手入れしてください。
ここからは私の初めて行う手法
『化学』
・器にアルミホイルを敷き、塩(塩化ナトリウム)または重曹、黒ずんだアクセサリーを入れ、熱湯を注ぐ。もしくは鍋で煮る。テレビやネットで簡単お手入れとして紹介させている方法です。
塩や重曹を触媒に熱湯で化学反応を起こすそうです。
アルミ + 水 + 硫化銀 → 水酸化アルミニウム + 銀 + 硫化水素
2Al + 6H2O + 3Ag2S → 2Al(OH)3 + 6Ag + 3H2S
…書き写してみましたが、そういえば科学の授業でこんな化学式やりましたね…
実践

熱湯を注ぐという事でホーローの器を使いました。
アルミホイルの上に手持ちのくすんだシルバーと、分量わからないのでとりあえず小さじ1の塩をいれました。

熱湯を注ぐ

水が薄茶色に濁りました。
途中で塩をさらに小さじ2を足したりお湯を変えたり。

目立った黒色は落ちました。

次はホーローの鍋に移し替え、水を取り替え、塩も大さじ1にして3分ほど煮てみました。

せっかくなのでシルバーのネックレスも追加

少しだけさらに白くなりました。
ネックレスの様子を見ると、煮た方が効く気がします。
それとも塩をもっと入れてたら違うのか…でも塩がもったいないのでまぁいいかと。
ちなみに花びらのピアスは水分拭いてる最中にピンが取れました。
「作りが甘いかな~?」と思ってこいつは売りに出していなかったんですが、出さなくて良かったです…危ない。
~メッキについて
メッキのお手入れ方法はわかりません。
なぜならメッキした事がないから。
変色を防ぐためにロジウムメッキなどを施す製品が多いですが、ロジウムメッキをかけると見た目がシルバーじゃなくてロジウムになってしまうので、それだとシルバーで作る必要性が…真鍮や銅だとメッキが剥げた時に色ができてしまうからロジウムするならば同じ色のシルバーで作った方が良いという利点がありますけどね。ちなみにロジウムは高価な金属です。でもシルバーの質感や色、経年変化で生まれる色の味わいが好きなのにメッキしたら育っていかないので、ようはシルバーが好きなのでメッキしていません。
あと、父の体質。人間は脂性だったり塩分濃かったり脂や塩の他になんか色んな成分が出ています。大学の友人にもいたのですが、鉄の工具を一日で全て錆びさせ毎日こまめに道具に油を塗ってコーティングしなければいけない人もいました。父もその手の体質らしく、メッキをすぐに剥げさせるという体質なのです。作った作品を父の店においてもらう事もあるので、置いてもらうたびにメッキが剥げてたら商品になりません。人体の不思議です。
ちなみにメッキが嫌いというわけではないので、いずれ使うことになったら調べてお手入れ方法紹介しますね。
以上、銀の仕上げと変色のお手入れ方法でした。