連休が続くと起床時間も少しずつ遅くなっていき、どんどん腑抜けになっていく。普段忙しくしていると、いざ休んでいいよと言われると拍子抜けしてしまう。



これはいかんと思い、今日は朝から久しぶりにモーニングマーケットに行ってきた。




旧正月だというのに、市場の中の半分くらいのお店は開いている。

チャイニーズは流石に働き者だ。


世界で最も働いているのは国籍を問わず、チャイニーズ(中華系)だと思う。


ただし、これは自分がお店を経営している場合に限る。

サラリーマンやアルバイトなんかは、これには当てはまらない。


稼げるパイがあるのならば稼いでおこう。

そして少しでも投資やギャンブルの資金にしよう。

そして、儲かったら早めにリタイヤしよう。


というのがチャイニーズの多くの人が考える人生設計。




新年の4日目から、家族総出で元気よく営業している鶏やさんを覗いてみた。


普通の日本人の奥様だったら、鶏をさばく様子は気持ち悪いとか言われるかもしれないけど、私は平気。


羽毛を取られスキンヘッド&ボディになってしまったニワトリさんが陳列台に数羽置かれている。


その横でチャイニーズのアンクルが手慣れた様子で中華包丁を持って、分厚い丸いまな板の上で一羽ずつトリさん達をポーション毎に切り分けていく。


潔くメスを入れられたトリさんのボディは、胸、手羽先、手羽元、レバー、モモと振り分けられ、この常夏でエアコンもない市場の一角の陳列台に並べられていく。


今日は、胸とモモにしようか。


「アンクル~、胸ひとつと、モモ3枚。モモは骨を取ってちょうだいね~。」

Uncle~、I wan one breast and 3 legs. Take out bone ah~?


こういうローカル色の強いポイントでは、チャイニーズアクセントで大声でオーダーする。


「Honi nashi ah~?」


ん? ホネナシって言った?


「You Japanese right??」


今日は、バレてしまった。


「ジャパニーズは骨と皮はいらないんだよね。」


「何言ってるの、骨も皮もいるわよ。スープのダシが取れるでしょうが。

私は貰えるものは根こそぎ貰って帰るから、なんかないの?」



この会話をアンクルは嬉しかったみたいで、骨を袋にいっぱいと、レバーも袋いっぱいに詰めてくれた。


あまりにもいっぱいに詰めてくれるから、気持ちお金を払おうとしても、アンクルはにっこり笑うだけで受け取ってくれなかった。


「Gong Xi Fa Cai! Shei Shei ni!」

明けましておめでとう。ありがとね。


気持ちをたくさん受け取って、鶏屋さんを後にした。




周りのお店を少しだけ見て回っていると、知らないチャイニーズのおじさんからもゴンシーファーチャイ! と挨拶をされる。


日本で知らない人に声をかけられるとちょっと変な感じがするもしれないが、ここではなぜか気分が良い。


私も言ってみようか。


知らないおばさんに声をかけてみた。


「ゴンシーファーチャイ!」


知らないおばさんも笑顔になる。

こんなローカル的なやりとりは、密かに好きかもしれない。




帰り道、大通りではなくて小路を通ってみた。

通ったことのない裏通り。


あるショップが目に入った。


インド系のお兄さんが3人。奥の流しのところで何か作業をしている。


通り沿いの表側には四角いコンテナがたくさん積み上げられている。


その小さなひとつひとつのコンテナの中には、8羽くらいのニワトリが頭を少し低くしてかがんだ様子で窮屈そうに入れられている。


ニワトリ達の白い羽毛は薄汚れていて、ここに連れて来られたことがどういう意味かを察知しているような目をしていた。


怯えたような、寂しい目。


このニワトリ達が、後にさっきの陳列台へと連れて行かれる。


まるごと一羽はきっと300円くらいで売られて行くのであろう。


可愛そうだから、300円で買い取って、うちで飼うか。


そんなことを言っていたら、もう命あるものは全て食べられなくなる。


それが、人間の生命をつなぐ上でのサイクル。


だからと言ってベジタリアンになろうとも考えない。



さっき私がアンクルに、


「骨も皮も全部持って帰る」


と言ったときに、喜んでくれた意味が少しわかったような気がする。




ニワトリ達のあの切ない目が一日離れない。



今日も手を合わせて、食べれることに感謝して。



今日も与えられた命にありがとう。



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