シンガポールで約30万円相当の3ベッドルームコンドを借りて

ハウスメートを2人募集することになった。


掲示板に募集の広告を載せてから、まずはメール審査。


それから面接。


なんだか、人材紹介会社で働いている時を思い出す。


メールで送られてくる履歴書にくまなく目を通し、

これだと思う人に面接依頼をする。


人材ではまあ、全員面接だったのだけれど。


一緒に住む人を決めるわけだから、

どんな人だって良いというわけではない。


メールを貰った瞬間から、その書き方や内容で

どんな人かも少しずつ想像できるようになっていたかもしれない。


当時からシンガポールでは当たり前だったフェイスブック。


これがけっこう役に立ったりした。


検索にメールアドレスを入れるとその人のプロフィール写真までが出てくる。


なんという時代だ。


大手企業の中では、フェイスブックの友達の数とか

記事のイイネ数を参考に採用を決定するとかしないとか。


私の気持ちも少し過剰になっていたかもしれないけど、

一緒に住む人は慎重に選びたい。


貴重品を保管して、一緒に生活していく人。


土曜日に来てくれる人はフェイスブックは登録していないようだった。


2010年の当時、日本人の間ではフェイスブックはまだそこまで普及していなかった。


海外にいる日本人は大抵やっていたが。



まあ、先入観なしで会ってみよう。


そして土曜日の約束の時間の10時になった。


その方はちゃんと日本人で約束の時間の10時にチャイムが鳴った。


さすが日本人、時間のロスがない。


時間の正確さというと、


5分前に来るのが日本人。

時間ちょうどに来るのがイギリス人。

15分遅れで来るのがアメリカ人。

1時間遅れで来るのがスペイン人。

24時間遅れで来るのがマレーシア人。


最後の一行は私が付け足した。


添乗時代に使っていたささやかなネタ。


まあ、そんなことはどうでもよいとして、

かなり余興が長くなってしまったが、

日本人の彼女はちゃんと時間前にチャイムを鳴らして来てくれた。


「こんにちは~。Nikkiさんですか?」


「はい、はじめまして。どうぞどうぞ中へ。」


「うわ~、広いですね。天井も高いし。

うわ~、景色も良いし、風通しも良い!」


年の頃は私と同じくらいだろうか?


髪が長くてすらっとした清楚な感じだった。


とりあえずリビングとキッチン、それから、

彼女が入ることになるであろうコモンルームのお部屋も見て頂いた。


「うわ~、夢のようなお部屋ですね。

日本じゃ考えられない。」


うんうん。


いい感じ。


「それから、こちらにもうひとつトイレがあるので緊急用で。

そして、こちらが洗濯場。」


すみずみまで、くまなく見てもらう。


「あれ~、このお部屋は何ですか?」


2.5畳ほどのストレージルームを指さして彼女は私を見ている。


「ええ、ここはプラス1のお部屋で、いわゆるメイド部屋ですよ。

ここはみんなの共同の物置にしたいと思っています。

スーツケースとか、ちょっと邪魔じゃないですか。」


「え~、贅沢~。」


「ですね。130平米もあるとこんなに贅沢ですよね。」


「え~、ってか、ここのお部屋は貸し出ししないんですか?」


「え?この部屋ですか?」


彼女は本気で言っているのか?


「私ね、子供のお稽古の先生をやっておりまして、

昼はずっと家にいるんですよ。NikkiさんはOLでしょう?

だからリビングを使わせてもらえれば、

寝るところはこれくらいで良いんですよ。」


まあ、確かに言っていることは経済的かもしれないが、

窓もエアコンもない半ベランダのお部屋。


「ねー、ねー、Nikkiさん。ここおいくら~?」


そう質問する彼女の目は、ときめいている。


「じゃあ、300ドルにしよっかな!」


冗談で言ってみた。


「決~めた!!」


え、、、、、。


本気なの?


いや、ちょっと一日考えてみないと。


とりあえず、今日の内覧はここまでとして、

ここに住んで頂けるかオーナーさんと相談するということにして

とりあえずお引き取り頂いた。


困惑した時は、一度この現場を離れてみる方が良い。


添乗員時代に培った経験だった。


判断に困ったときは、陰にかくれて一服して考える。


彼女はとてもいい人そうなんだけど、これはどうなのか。


さあ、ビール飲んで考えようっと。


つづく


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洗濯機のあるベランダ側から見える風景。