ご縁のある会社や物事、人間関係。
それは本当にスムーズにいくものだと体験を持って痛感している。
時には困難が好きだと、わざと自分のハードルを上げたりする人もいるが
私はできるだけ環境や流れに身を任せる方が
良い運命が待っていると、何となくそう思って毎日を過ごしている。
だから、来年の事は漠然と予定を立てていても、
ギリギリになって計画を変更したりするので、
ましてや5年後は何をしているかは全然想像ができない。
想像ができるなら、それはつまらない人生だと思っている。
せっかく生まれてきたなら波乱万丈な人生が良いじゃないの。
大手旅行会社に新たに就職が決まってからは何事もスムースだった。
ここの会社のシステムはAbacusと呼ばれる端末を使っており
それを新たに学習することになった。
3レターコードと呼ばれる、各都市のコードや
基本的な旅行会社の知識を持っていたので、
これを学習するにもやっぱり楽しかった。
業務内容は、主に日本へ旅行されるシンガポール人に
航空チケットを予約してあげたり、JRパスの発行、ホテルの手配等であった。
日系の旅行会社だったので、スタッフは日本人半分、シンガポール人半分と少しマレーシア人だった。
当時、私のアバカス学習の先生になってくれたのは
ウェイリ君という年下のシンガポール人の男の子だった。
日本語を勉強中でカタコトの日本語をしゃべってくれる。
毎日、日本語の辞書を読むのが好きだと言っている。
すばらしい。
彼の最初の一言がこれだった。
「Nikkiさん、よろしくね。
ワタシハあなたのオテモトになりたいとオモッテマス。」
一瞬、??? オテモト???
「あ~、わかった!オテホンじゃない?」
「あ、そうでしたね。ゴメナサイネ!」
「きゃはははは~。ウェイリ君おもしろーい!!」
そういうとウェイリ君は深く傷ついたと言っている。
それから、アバカスを教える代わりに、
ウェイリ君が書いたお客様宛のメールを
毎日チェックするように本人から頼まれた。
[何かご質問がありましたら、お気楽にお尋ねください。]
「何か、この文章変なんだよねー?
あ、わかった! お気軽にお尋ねください、だよ。」
「きゃははは~。ウェイリ君おもしろーい。」
そして彼はまた深く傷ついたと言っている。
できれば、私がお客様だったら、
この不完全な文章でメールの返信をほしい。
一生懸命自分で勉強している感じがよく伝わって、
この人から是非チケットを買いたいと思うから。
サービスや接客というのは、何も完璧でなくて良いと思っている。
お客様に対しての、一生懸命な気持ち。
そして素直に、喜んでいただきたいという気持ち。
下手でも、必ずリピーターにつながるから。
一番よくないのは、上手になっておごる態度。
真心のこもっていないサービスはいくら上手に交わしても
すぐに伝わってしまう。
だから、私はたまにウェイリ君の間違った日本語を敢えて訂正しなかった。
下手でも絶対に気持ちは伝わるから。
もひとつ、日本人スタッフの英語訳で笑えたお話。
夫婦で日本へご旅行されるシンガポール人。
旦那様が鶏のアレルギーがあり、ホテルの食事は手配注意、との事。
担当の日本人スタッフは、他のスタッフにもわかるように
そのお客様のファイルにこうメッセージを書いた。
「Husband cannot eat birds, be careful.」
ごめんなさい。
これを書いているうちに今でも笑いが出る。
正しい英語は
「Please take note that he has allergy of Chicken.」
このメッセージを見たシンガポール人が
みんな笑いながら私に質問してくる。
「バードって、なんの鳥を食べる?」
私もみんな大笑いだ。
この笑いのある職場が好き。
毎日の通勤が楽しくてしょうがなかった。
*シンガポールの自宅から見た景色
