もし日本中が通名だけで暮らす時代になったら?
最近、ふと思った。
戸籍や運転免許証、マイナンバーカード。
全部、生体認証だけで本人確認をして、名前は番号と記号で管理する。
普段の生活では、本名ではなく好きな「通名」で暮らす。
そんな時代が来たらどうなるんだろう。
最初は「そんなのSF映画の世界だろ」と思った。
でも、よく考えてみると、案外不便じゃないのかもしれない。
銀行では顔認証。
病院では指紋認証。
買い物も虹彩認証。
「本人確認できました。」
そう言われるだけなら、名前を何と名乗っていても困らない。
芸能人や作家は昔から芸名やペンネームを使っている。
ネットではハンドルネーム。
考えてみれば、私たちは意外と本名を使わずに生活している場面が多い。
そうなると、「今日は何という名前で行こうかな」なんて時代になるかもしれない。
私は……
「イケメン太郎」
いや、それは顔認証システムに笑われそうだ。
「渋沢栄一」
これも財布の中身と一致しない。
結局、「小橋二郎」くらいが無難なのかもしれない。
ただ、便利になる一方で、問題もありそうだ。
名前には家族の歴史や、ご先祖様から受け継いだ思いがある。
全部が通名だけになったら、その文化は少し寂しくなる気もする。
それでも、もし戸籍は厳重に守られ、本人確認は生体認証で完璧。
普段は好きな名前で暮らせる。
そんな社会になったら、案外みんな数日で慣れてしまうのかもしれない。
60年以上生きてきて思う。
昔は携帯電話なんて持っていなかった。
インターネットもなかった。
キャッシュレスなんて「何それ?」だった。
それが今では、財布を忘れてもスマホがあれば何とかなる。
人間というのは、意外と新しい仕組みに順応する生き物らしい。
だから100年後の人たちは、私たちが本名で暮らしていたことを聞いて、
「えっ、本当に? そんな面倒なことしてたの?」
なんて笑っているのかもしれない。
もちろん、これは私のただの妄想。
でも、こういう「もしも」を考えている時間が、年を重ねるほど楽しくなってきた。
SF映画を観ながら、
「未来は案外、こんな感じになるのかもな。」
そんなことを考えてニヤニヤしている60代なのである。