10分~15分
駅までの所要時間
コレが行きのはなし
15分~20分
家までの所要時間
コレが帰りのはなし

ともあれほぼ毎日
早朝だったり
真夜中だったり
快晴だったり
雷雨だったり
仕事だったり
デートだったり
状況はちょっと異なるけど
ほぼ毎日通る道

行きの方が短いのは
電車だったり
待ち合わせだったり
時間の制限があるわけで
帰り道にはそれがナイから
当然のんびりゆっくりちんたら

ともあれほぼ毎日
暑かったり
寒かったり
元気だったり
具合悪かったり
嬉しかったり
がっかりだったり
状況はちょっと異なるけど
ほぼ毎日通る道

この道はほぼ毎日のわたしを知ってる
今日は元気よくスキップみたいに歩いてるーとか
今宵は極めて歩幅が小さく落ち込んでるーとか
いろいろなわたしを知ってる

この道はアスファルトだから硬いけど
足から伝わる感情の流出を
スポンジのように吸い取ってくれる
この道を歩くことはわたしにとって
必要に迫られてるからだけじゃなくて
かけがえのない癒しのようなもの

足から伝わる感情の流出
明日この道を歩くときは
おもいっきり心をこめて
「ありがとう」
って伝えてあげよう
この道はほぼ毎日のわたしを知ってる
たった短い10分~15分
ないしは15分~20分だけど
この道にわたしは癒される
いつもいつも
「ありがとぉっ」

感じたことない?
動く歩道を急いで歩いたとき
自分がすこし
未来に近づいているような

走る電車で後方に移動したとき
自分がすこし
過去に遡っているような

感じたことない?
歩く人々を尻目に走ったとき
自分がすこし
瞬間を通り過ごしてしまうような

飛ぶ飛行機を歩き回ったとき
自分がすこし
時空を超越するような

時を意のままに
立ち止まり遡り前進し意のままに
空間を思いのままに
立ち止まり遡り前進し思いのままに

感じたことない?
時空に飲み込まれてしまうような
恐怖
時空を手中におさめたかのような
自由

日常のありふれた瞬間
いつものあらゆる場面
きっと自分はすこし
時空を旅する
時空間移動者

いつもの帰り道
ミンミンミンミンと喧しく
ムンムンと熱された大気
木漏れ日を眩しく振り仰ぎ
光の強さに思わず落とした視線

その先に骨
鶏の骨(らしい)
中途半端な大きさの
鶏の骨(なぜ)

それからの数分
頭のなかで響くはミンミン
頭のなかで描くは骨骨
蝉と骨