『月の輝く夜に/ざ・ちぇんじ!』 | NS.

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本ばっかり日常のひとりごと。

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表紙および挿画は今市子さんです。

氷室冴子
『月の輝く夜に/ざ・ちぇんじ!』
集英社コバルト文庫・2012/09

氷室さんの、単行本未収録短編等をまとめて収録した1冊です。
でもそれだけじゃ分量も訴求力もやや足りないかもなので、「ざ・ちぇんじ!」をくっつけてみた感じでしょうか。
「月の輝く夜に」
「ざ・ちぇんじ!前編」
「ざ・ちぇんじ!後編」
「少女小説家を殺せ!1」(『少女小説家は死なない!』番外編)
「少女小説家を殺せ!2」(同上)
「クララ白書番外編 お姉さまたちの日々」
前3つは平安時代小説。後3つは現代物のコメディ。

先日『クララ白書』と、ブログには上げていませんが続編『アグネス白書』を一気に読みましたが、今回この本を読んで、やっぱり氷室作品は時代物が大好きだわ、と思いました。

主人公が(回想シーン以外)邸から一歩も出ないまま、しかも終わってみれば実は最初と何も状況が変わらない、これぞ王朝!!という「月の輝く夜に」。
いいっすね!好き!
地味ーですが、宮木あや子『泥ぞつもりて』とかになんとなくハマった人はたぶん好き。
まあ、書かれた時代的には『泥~』よりこっちの方がずっと前なので変な薦め方ですが。

で、再読どころじゃない「ざ・ちぇんじ!」。
こちらは平安時代を舞台にしたコメディ。といっても底本は「とりかへばや物語」なんですが。
男として育った姫君と、女として育った若君、そして帝を含む周囲の人々が、その倒錯した状況に振り回されるというドタバタですが、その振り回されっぷりが楽しく、しかも無理がなくて(このへんが氷室さんの筆力のなせる業でしょうね)、そして2人が入れ替わって大団円というラストはやっぱり何度読んでもお見事!
完全に展開を知っていても、夢中で読んでしまいました。
実を言うとわたし、昔からジャパネスクよりもちぇんじが好きなのですー。

あとのコメディは割愛。
こう言ったら申し訳ないけれど、どっちでもいいや。


あーなんかジャパネスクも読み返したくなるなー。

そういえば、わたしはアメブロの「アクセス解析」の中の「検索ワード」を見るのが好きなのですが、毎日!ほんとに毎日!「銀の海金の大地 続編」「銀の海金の大地 続き」等がワードに入っているのです!
今になってそんなに銀金の続編が気になる方が増えてるのかしら…
わたしのところに来ても、あたりまえですが続編はないので、期待に応えられず申し訳ないです…