朝から小雨が降ったり止んだり


マリアの心臓  第五章、本日までです!
もちろん行ってきたで!



先月も先々月も、マリアの心臓に行く日は雨が降ったり止んだりやったなぁ

別に狙ってるわけやないけど、雨の日はやっぱり来館者が少なくてゆっくり見れるのがいいねん



以下、『マリアの心臓』潜入レポートになります

浅学のため間違いが多々あるかと思われますのであらかじめお詫びしますが、苦情は受け付けません(笑)

またマリアの心臓では人形以外にも素晴らしい絵画や調度品がたくさん展示されていますが、私は全くの門外漢なのであえて書きません

ぜひ実物を見に『マリアの心臓』へ行かれることをおすすめします




今日、私が入館したのは13時半過ぎ

と入れ違いに二人のお客さんが帰られ、『マリアの心臓』は私の貸し切り状態に……
めっちゃ贅沢やろ?

こんなことは初めてやったけど、最初から最後まで思う存分『赫いブランコ』の世界に浸ってきたで



まず、玄関の引き戸を開けると土間には三台のベビーカーに乗せられたベビーのアンティークドール

その奥には大きなガラスケースの中に姫君の浄瑠璃人形

右手の壁に並べられたたくさんのシャーリーテンプルの人形が出迎えてくれる




受付と記帳を済ませ、板張りの部屋に進む


ここから先は、時間も空間も下界から切り離された世界


第四章と展示されている人形達はあまり変わってないけど、クリスマス前という時節柄か天井近く壁際に沿ってイルミネーション

薄暗い部屋の中を青白い小さな明かりが照らしていて、人形たちをより幻想的に見せる

正面の大きな聖像の雰囲気と相まって、どこか外国の地下聖堂のよう


部屋の中央に置かれた高い台の上に、天野可淡さんの『膝をついた羽の生えた妖精』

360度から間近で見れて感動……

尖った耳、青白い光を放つ鋭い眼、今地上に降り立ったのか、それともまさに飛び立とうとする一瞬か

背中部分の羽の生え際、華奢な足裏など、普通の展示では見れない部分がじっくりみれてすごく良かった



虎のいる小部屋の入り口には、恋月姫さんの白いビスチェとドロワーズ姿の少女が、足を投げ出ししどけなく椅子に横たわる

硬質な色気を感じる



板張りの部屋の奥、靴を脱ぎ一段上がった畳の部屋


左の壁にはガラスケースの中に大正時代のいちまさん

その隣には和箪笥の上にふくよかな顔の抱き人形と浄瑠璃人形が二体


部屋の半分を占めるのは、赤い寝台に赤と金襴の触手のような様々な太さの紐が絡むディスプレイ

その上に広げられた和傘の影には可淡さんの少女のこうべ

和傘越しの行灯の明かりが、宙を見つめる瞳に灯る



畳の部屋の右側の、狐の提灯の下がる小部屋には、正面に真っ白な掛け布団のような物が垂れ下がる

そこに絡まる白蛇のような白い太い紐に、墨痕鮮やかに「千手千眼大聖観世音菩薩」の文字

その下に寄り添うのは、佐吉さんを最後までお供をするという白装束の二体のいちまさん


小部屋の両方の壁際には市松人形がずらりと並ぶ

このいちまさんたちは比較的新しい(昭和初期~中期)ものたちのよう



畳部屋の正面奥の部屋は、黄色っぽい明かりが部屋を柔らかく照らす


入って左側の和箪笥の上には古い雛人形の従者?と天狗屋久吉の浄瑠璃人形の頭

その下には昭和初期のいちまさん五体

左側の壁際の和箪笥には女雛、その下には大正時代のいちまさん二体

左隅のガラスケースに昭和初期のいちまさん七体
その下には野崎芳寿作のいちまさん二体


部屋の正面に置かれた長椅子三台にはそれぞれいちまさんが五体ずつ

その足元に大正~昭和初期のいちまさんが十一体


右側の隅に昔の薬屋の猫いらずの薬の広告が描かれた台とその上に大正時代のいちまさん


右壁の中央には第四章にもいた、気品のある深窓の姫君のような大きないちまさん、と言うか生き人形?

両側には五体の抱き人形が控えてる


隅の二つのガラスケースに七体のいちまさん、和箪笥の上には三体のいちまさん


見えている範囲、ざっと数えただけでも六十体位の市松人形がこの部屋にいる

作られた時代もバラバラでそれぞれに個性があり、ひとつひとつ見ているとそれだけであっという間に時間が経ってしまう


長椅子の並べられた奥には、白い五つのキャビネット

文化人形
さくらビスク
キューピー
中華風の人形

以前より整理されて収まっている


右端に置かれたガラスケースには四章でも見たレンチドールの少女たち


キャビネットの上にはクマ、サル、イヌ、ネコなどのぬいぐるみ、下の空間にはフクスケ人形やキツネの面

これも前回と比べて整然としている感じ


この部屋は毎回一番たくさんの人形が集まっている空間で、私がいつももっとも長い時間いる場所やと思う

ほんまに出来ることならこの部屋で一晩、人形たちと一緒に過ごしてみたいな(笑)



奥の部屋から出て畳の部屋に戻り、左側の続き部屋


この部屋では第三章、第四章に引き続き染谷みち子さん作のディスプレイに絡め取られた、可淡さんの等身大の裸体の少女


このディスプレイと可淡ドールのセットも、恋月姫さんの天草四郎の部屋のように常設になるのかな?

どちらも何度見ても見飽きない魅力を持ったディスプレイと人形なので、それも有りかと思う


左壁には三つ折りのいちまさん

大きなガラスケースに陶器の神の使いのような白ギツネ

永徳斎の抱き人形

ガラスケースの中のルネコレクション、福松ちゃんと着物姿のさくらビスク


右の壁には振袖などの晴れ着が掛かっている


部屋の奥、縁側に繋がる壁には和箪笥の上に、妙齢の三つ折り人形と大きな御所人形



縁側に出ると左側には、三浦悦子さんのお口にチャックの少女が椅子に半ば体を横たえるように座っている

その隣には、着物姿で姿勢よく椅子に腰掛けた、恋月姫さんの『遠國  さくら』

突き当たりには和髪の首だけのマネキン



反対側の廊下には壁に沿ってずらりと足高のガラスケースが並び、

スタイネール
ジュモー エミール
マルセル
シモン&ハルビック
レンチドール

角を曲がった所には、

シャーリーテンプル
ブリュのレプロ
ケストナー
レンチドール


マリアの心臓に来るようになってから、レンチドール、さくらビスクと同じくらい好きになった

まず、顔の可愛らしさ愛らしさはもちろん、古さを感じさせない、フェルトで作られたファッション

色使いといいデザインといい本当に可愛らしいし、フェルトなのに細工も細やかで全然安っぽくない


欲しいなぁ~!  無理やけど……
結構偽物も出回ってるらしいし



縁側から床の間のある和室の中へ


第二章から登場している、恋月姫さんの『天草四郎時貞』の二体


右の『ジェロニモ』と左の『フランチェスコ』


私のお気に入りは『フランチェスコ』の方

こちらの方がなんとなく凛々しくて男性っぽい気がする


右の『ジェロニモ』の方は薄いオレンジ転びのピンクのメイクで、衣装も濃紫のドレスのせいか柔らかい感じがする

このドレス、今回ゆっくり見たら裾が三段のプリーツ、ビーズの裾飾りなど手が込んでいる

リアルな古色感あるし、本物のアンティークドレスなのかな?


part2に続く