香港の新鋭、と言っても90年代から現地では活躍していた作家だ。乗風破浪 DVDダンテ・ラム。日本に紹介されたのは今世紀に入ってからで、その頃はアクション映画と、ラブストーリーのどちらもこなすイメージだったが、近年は『密・告・者』など、良質なアクション映画に傾倒している。
そんな彼が、この『疾風スプリンター DVD』では、アクションと青春ドラマ、ラブストーリーのすべてをやってのける。台湾のプロチームに所属した二人の実力のあるレーサーが、互いに切磋琢磨しながらトップレーサーへと上り詰めていくのだ。同じ女性に恋心を抱き、それぞれがレーサーとしての壁にぶつかり、再起を図る。

ドラマ部分のオールドファッションな感動もさることながら、やはりこの映画の見所は幾度も登場するレース場面の緊張感だろう。映画 疾風スプリンター DVDただ走っている映像を見せるだけでなく、細かい戦略がきちんと観客に伝わってくる点も優れているが、実際にエディ・ポンやショーン・ドウらキャスト陣はトレーニングを重ね、傷だらけになりながら撮影に臨んだだけあって、画面からは役者魂を超越した、気迫が溢れ続ける。
自転車レースを題材にした作品は、これまでにも数多存在し、最近ではスティーブン・フリアーズがランス・アームストロングを描いた『疑惑のチャンピオン』が記憶に新しい。もっとも『疾風スプリンター DVD』のように、レースシーンにすべての興奮のピークを持ってくるという点では、ピーター・イェーツの『ヤング・ゼネレーション』を思い出してしまうのだ。