「冬のソナタ」「天国の階段」のチェ・ジウが、2016年の「ハッピーログイン」以来に映画出演を果たした作品で、絡み合う奇妙な運命が登場人物たちの日常を一転させ、予測不可能な事態を巻き起こすさまを描いたスリラー。

韓国で大ヒットを記録したホラー「コンジアム」のチョン・ボムシク監督がメガホンをとった。

ソウルでは女性を狙った殺人事件が連続して発生し、世間を騒然とさせていた。ある日、マンションでひとり暮らしをしているヒョンジョンのもとに、火災報知器の点検をしにきたという中年の男が訪れてくる。図々しく家の中に入ってくる怪しげな男に不安を覚えるヒョンジョン。一方、デートアプリでマッチングした相手と待ち合わせをしているヒョンスのもとには、思いも寄らない人物が現れる。この一見すると無関係な2つの出来事はやがて交差し、予想外の結末へと向かっていく。

なにげない日常が恐怖に繋がるというストーリー。
「世にも奇妙な物語」のような感じですね。

主に若者の孤独な生活を描いています。
他人の言葉に影響を受けたり、1人でいることへの焦燥感。
ほんの少し、誰かと繋がろうとしたために、事件に巻き込まれてしまう。

チェ・ジウさんや、K-POPグループ「SHINee」のチェ・ミンホさんのファンと思しき観客が多かったように思います。

●第1話「Ｍ」

ヒョンジョン（チェ・ジウ）は高級マンションにひとりで住んでいます。

ある夜、告知もされていない「火災報知器」の検査と称して、いきなりおじさんが訪問してきます。
無理やり1人暮らしの女性の部屋に上がりこみ、ふてぶてしい態度でいかにも怪しい雰囲気。

そしてとうとう本性を表して女性に襲い掛かるのですが…

久しぶりに映画出演のチェ・ジウさん。
今はTBSドラマ「ブラックペアン2」にも出演中ですね。
なんとなく永遠のヒロインというか、吉永小百合さん的なイメージを持っていたのですが…

それを根底から覆すキャスティングです！

●第2話「正しいことをしろ」

学校で「困っている人がいたら人助けをしないと」と吹きこまれた中学生のスンジン（チョン・ドンウォン）。
バスを待っていると、車椅子が植え込みにハマってしまって困っているおばあさんがいます。
普段なら見て見ぬふりをするのですが、受験の内申点アップのボランティア活動と思い、おばあさんの自宅まで送ることに。

しかし到着したのは、およそ人など住んでいないような廃墟アパート……

●第3話「殺しのドレス」

巷で流行しているマッチングアプリ。
細かくプロフィールを入力する手間はありますが、街中でマッチする人物が現れると即座に知らせてくれます。
あるカフェでアプリから連絡のあった男性を待つ女性ヒョンス（イ・ユミ）。

相手から少し遅れると連絡があり、自分の特徴となる目印を教えた途端、近くで同じ特徴を持つ女性の殺傷事件が発生します！
怖くなった彼女はこっそり自宅に戻るのですが…

●第4話「今、会いにいきます」

「マッチングアプリを使ってでも、まず出逢わないと何も始まらないぞ！」と友人にけしかけられた大学生フン（チェ・ミンホ）。

自宅に戻る道すがら、自動販売機で飲物を買うと、取り出し口に手紙が入っていました。
一旦は元に戻して立ち去りますが、なんとなく気になって、その手紙の通りに進んでみます。
ポイントとなる自販機におかれた数通の手紙の通りに進んでいくと……

●第5話「のぞき魔」

職がなく、毎日オンラインゲームで過ごすギジン（ピョ・ジフン）。

隣に住む色っぽいOLに夢中で、隠し撮りするのが唯一の楽しみ。

想いが高じて、とうとう窓伝いに隣室に進入してしまいます。
彼女のベッドに寝転んだりしてウットリしていると、彼女が帰宅！
慌ててベッドの下に隠れましたが、もう1人、男が帰宅して……

●第6話「ろくでもない人生」

これだけちょっと特別っぽくて長いです。
人生に投げやりで、コンビニのアルバイトで働く女性ヨンジン（ハ・ダイン）。

バンド活動を目指してソウルに上京するも挫折。
コンビニ店員として働き、くだらないクレームをぶつけられる鬱屈した毎日。
現実世界はお金も夢も希望もないのですが、オンラインゲームの中でだけ、別人格として生きています。
ある日、SNSに「人を殺した」「死体の処理はどうすればいい？」などの書き込みがあり、つい好奇心で死体遺棄場所を見に行ってしまい……

ヨンジンを演じたハ・ダインさん。
新人女優らしいのですが、その目力といい、存在感が凄かったです。

閉塞感のある日常。

思わぬ人生の落とし穴。

結構グロいシーンもあり、韓国映画らしい面白さもあったのですが、6話のオムニバスが1本のストーリーになっていると思いきや、そうでも無いんです。
最後に全て繋がったりすると「おーーーーー！」って思うんだろうけど、そういうエンタメ演出はわざと避けたのでしょうか？
でも微妙に登場人物が繋がっているので、なんだか中途半端で残念でした。

エンドロールをみていると、いきなり「トリハダ」という日本語が目に入りました。
どうやら日本のドラマ『トリハダ』のリメイクらしいのですが、2007年以降『トリハダ』シリーズと称してかなり色々なバージョンがあるようで（映画版とか）、どれが直接の元ネタなのかは不明です。

2024年9月6日には、このシリーズを継承する全7話のオムニバスホラー「トラウマ」が公開されるようです。

ニューノーマル