淡路恵子さんが亡くなった。


TVからだけでは全てを知る事は出来ないけど、一般人から見ても、とてつもなく波乱に満ちた彼女の生涯。


毒舌キャラと言われていたけど、私にとって、とても尊敬出来る人だったし、女性としてもすごくカッコいいと思っていた人だった。




夫の借金
夫の看病
夫の不倫
2度の離婚
子供の事故死
子供の犯罪
息子の自殺
自分の病気

人生でこんなにもたくさんの不幸を背負って生きた人。



「人が死ぬのが一回ではなかったら、何度私は死んできたかわからない」と言いながらも、
女優業、バラエティ業をついこの間までこなし皆に愛されていた人。



私が一番驚いたのは、彼女が眠る事になるお墓が2人目の旦那さんと同じ墓地だという事だった。


病気を患っていた旦那さんの看病をし続け、旦那さんの作った借金を返す為に自ら働き、
挙げ句の果てに不倫された彼女。

最終的に裏切られた形になって、そんな辛い思いをしたにも関わらず、その旦那さんの写真を部屋に飾り続けた彼女の想い。


愛した人に裏切られて、自分だけが重荷を背負う人生なんて、私だったらきっと生きていけないと思う。


きっと彼女は旦那さんを心底恨んだと思う。
そして心底愛していたからこそ、離婚したんだと思う。



周りの人からすれば、
"強い女性"に見えるし、
本当に強かったのかもしれない。

でも本当はきっと、すごくすごく弱い人だと思うんだ。


「人に心配させるのが嫌だから、『大丈夫よ』って元気ぶる。」

彼女はきっと、自分は強い精神力を持っているのだと言い聞かせ、思い込ませて生きてきたんじゃないかな。


だけど彼女は生き続けた。

そんな彼女を支え、生き続けさせた力は、子供の存在だったんだって。


「子供がいたら死ねない」という彼女の言葉はとても愛に満ち溢れ、重たく感じた。



どうしてこんなにも愛情深く、努力家な人の人生が不幸に襲われるのか。


もしこれが運命というモノだとしたら、生きる事って本当に絶望の何物でもない。

だけどそんな彼女だからこそ、
子供や友達、仕事仲間は、
彼女に惹かれ、愛していたのかもしれない。


私の様に会った事もないのに、
こうして感銘を受け尊敬している人もたくさんいると思うしね。




彼女は生まれ変わったら、
「愛する人の為に食事を作って生きる人生がいい」と言ってた。



女優として、スポットライトを浴び続けた人が、一般人でもなれるであろう幸せを望む。



結局誰しも、愛を求め、愛を捧げる人生を望んでいるのかもしれない。







ご冥福をお祈り致します。






明日もどうにか生き延びよう。