タイトルのないミステリー

タイトルのないミステリー

これは小説のタイトルではありません。
ブログのタイトルです。

ご訪問ありがとうございます。

こちらは私が趣味で書いている小説をUPしています。


それぞれの小説のタイトルをクリックしていただくと 

その物語の最初のページに行きます。


途中、誤字脱字あるかと思います。

(気がついたところは直していますがそうでないところもあります。)

そこは流してください・・・あせる



*注>ここのところ自動と思われるコメントが多く入ってきます。記事内容に全く関係の無いコメントはスルーさせて頂きます。


<一作目>

リンク ~棘~  (2010年7月~2012年10月連載)
申し訳ありません、原作変更のため只今公開を中止しています。

2作目よりお楽しみ下さい。

<二作目>

ゲンと源太 (2012年10月~11月連載)
こちらは短編物です。

狼と人間の切なくも悲しいお話です。

ささっと流し読みしていただければ幸いですアップ


<三作目>

羅刹(らせつ)の囁(ささや)き (2012年11月~2015年5月連載)
こちらも超がつく長編です。

人と人とが何処でどう繋がっているのかを解き明かしていくミステリーです。

複雑怪奇に繋がった人物関係を楽しみながら読んで頂けると嬉しいです。


<四作目>
魍魎(もうりょう)たちの誘(いざな)い

(2015年6月~ 2018年2月)
 全二十話 ★目次

 
 こちらは短編構成です。1話が20~40回くらいの連載でお話が完結しますが一話から二話、三話、もしくは何話目かと関係ない中にもどこか関連があったり、違うお話の登場人物が出てきたりします。


短編でありながら長編?みたいな。

構成を楽しみながら読み進めて頂ければと思います。

 

深層の滓(しんそうのおり)  連載中

 (2018年2月~)


長編連載物です。別々に起こった全く異なる事件が人と人を通してどこかで繋がっていく・・・どこで誰が、どんな風にかかわっていくのか、そしてその渦中の人物の真意とは?色々想像を巡らせて読んで頂ければ幸いです。


★尚、ここに掲載されている全ての物語はフィクションです。

登場する人物、団体名は実在するものとは一切関係が有りません。



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テーマ:

     二.

 

 岡野を訪ねに行ってから間もなくの事だった。家に帰って何気なくテレビを見ていたら誰かが殺されたというニュースがやっていた。見るともなしに画面を見ていたがその殺された男の顔に何となく見覚えがある様な気がした。殺害される前に防犯カメラに映っていた男の姿が何度も繰り返し流れた。鳴海がじっとその画面を見ていると夫の天哉が声を掛けて来た。

「どうしたの?」

「あ、うん…何だかこの人の顔どこかで見た事がある様な気がして」

「この人って、この殺されたって人?」

「うん…何処でだったかな…」

「もしかして患者さんとか?」

「うーん、どうだったかな。でも患者さんだったらもっと覚えていると思う。もっとずっと昔に見たような…」

「身元不明って出てるから知っているなら警察に言った方が良いと思うけど、誰か分からないとね」

「うん…気のせいかな」

考えていると携帯が鳴った。兄からだった。

「もしもし、鳴海、おまえ今、どこ?」

「家だけど」

「ニュース見た?」

「ニュースって?」

「四十代の身元不明の男が殺されたっていう事件の被害者の映像」

「あ、今、見ていたとこ」

「どう思う?」

「どうって、何?」

「防犯カメラに映っている男、岳じゃない?」

「たかし?たかしって、あのサッカー部にいた山下君?」

そう聞いて鳴海は思わずもう一度テレビの方に顔を戻すがもうその映像は消えていて別のニュースになっていた。鳴海は今見た防犯カメラの映像を頭の中で再現する。そう言われてみると確かに似ているように思う。似ているが確証はない、印象が鳴海の知っていた山下岳とは随分違う気がする。防犯カメラに映っていた男は窶れて荒んだ感じだった。どこかの日雇い労務者かまるで路上生活者かの様な風体だった。

「な、似ていただろう」

「う…ん。でもまさかあの山下君が。全然イメージ違ってたけど」

「でもあの防犯カメラを見上げた時のあの目付き。いつだったかな、大分前になるけど岳にばったり会ったって言っていた事があっただろう、あの時のあいつの目付きとおんなじような感じがした」

「ああ、確かその時も昔とすっかり印象が変わっていたとか、言っていたよね」

でも今のは本当に山下岳なんだろうか。知っている人がこんな風に近い時に殺されるなんて、そんな事があるのだろうかと思ってしまう。

「でも兄さん、あの時、山下君確か結婚したって言っていたって。今の映像の人、とても結婚しているような感じには見えなかったけど」

「ああ、確か何年か前に離婚したって言うのは噂で聞いていた。少年サッカーのコーチも辞めてちょっと酷い暮らしをしているようだなんて話も耳にした事がある」

「そうなの?」

「あいつ、もう親も死んでいないしな。サッカーのコーチをしている頃はまともな暮らししていた思うけど、その辞めた原因って言うのが部員の子の保護者と不倫したとかなんとか…まあ、これは噂だから本当のところは分からないけど」

「そうなんだ…」

「警察に言った方が良いと思うか?」

「そりゃ言わなくちゃ駄目でしょう」

「でも、もし間違っていたら」

「人間違いでしたってだけの話でしょう。知っている情報があるなら言うべきじゃないの」

「おまえ、言ってくれよ」

「何で、私が」

「お前だってあいつの知り合いなんだし。それに職業柄警察関係者と繋がりあるだろう」

「そんなの無いわよ。私はただの医者なんだから」

そうは答えたが頭の中に桃香の恋人の滝沢涼の顔が浮かぶ。それに桃香だって警察関連と言えばそうなる。

「あ、でもいない事も無いか」

「ほら、やっぱりいるじゃないか。何か、このまま知らん顔しておくのも気が引ける様な気がしていたんだ。じゃ、頼んだからな」

そう言うと兄はさっさと電話を切ってしまった。

「あ、ちょ、ちょっと、」

鳴海は切られた携帯を握り締めてその画面を見る。

「どうしたの?」

その様子を見ていた天哉が鳴海を覗き込む。

「今のニュースに出ていた人、やっぱり知り合い?」

「そうみたい…あ、でもまだそうと決まったわけじゃないけど。兄さんの高校の同級生かも知れないって。高校時代、何度か会った事あるんだ」

「お義兄さんの同級生だとまだ三十代だ。にしてはさっきの映像は随分老けていた」

確かにあの映像だともう四十はとっくに過ぎているような感じに見えた。サッカーをしていた頃は美少年タイプで女性にもモテていた。あんなにも変わるものなのかと思う。どんな生活をしていたのだろう。あれが本当にあの山下岳なのだとしたら何があって、何を切っ掛けとして彼はあんなにも変貌してしまったのだろうか。

「あ、ちょっと待って。取り敢えず新珠さんに電話しておく」

鳴海は桃香に電話をして殺された男の身元が分かるかも知れない、事件に出ていた被害者がもしかして兄の同級生かも知れないという話をすると桃香はこちらから警察に連絡しておくと言った。

 数日して桃香から被害者は山下岳に間違いなかったという連絡が入った。あの映像から見た印象通り、彼はその日暮らしだったようだ。ニュースでも報じていたように岳の死因は撲殺だったらしい。

(撲殺…)

そう聞いて鳴海の頭に梗子の事件の事が過ぎる。確か梗子も撲殺だったと記憶している。顔見知りの人間がそれ程時を隔てないで同じような殺され方をするなんて。ただの偶然ではないように思えてしまう。でも梗子と岳に接点があるとも思えない。それとも鳴海が知らないだけで二人の間には何か繋がりがあったのだろうか。二人は環境も育った場所も職業も年も違う。いったいどこに接点があると言うのか。

「ああ、それとね、一緒に仕事をしていた人がね、最近なんか探し物を見付けたとかで上機嫌だったって」

「探し物?何の事?」

「さあ、そこまでは言わなかったらしいけど」

何か、何処かで同じような話を聞いた覚えがあるように思う。

「何か心当たりある?」

鳴海が黙り込んだので桃香が質問する。

「あ、そうじゃないけど。第一私はもうずっと会っていなかったし。でも…」

「でも、何?」

「何かな、なんか同じような話を聞いた覚えが…・あ、そうだ!」

前に兄が岳とばったり会った時に岳がそんな事を言っていたと喋っていた。あの時、兄は何と言っていたのだろう、確かずっと、ずっと探していたモノを手に入れた、とか見つけたとか。そうだ、そんな風な事を岳が言っていたと。

 

 

    <壱百肆拾弐(百四十二)へ続く>

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