あの日は本当によく泣いた。
私はとあるアイドルグループのオーディション帰りだった。
その帰りに高校生の頃、ライブハウスでコピーバンドでライブしていて共通の知人を介して知り合ったしおりさんのバンドのライブへ行った。
いおりさんとは初めてオリジナル曲でのバンドを組ませてもらった。
爪が剥がれ千切れるほどベースを練習してコーラスも頑張ってやってた。
THE KUTABARES
くたばれみたいなことばっかの曲ばっかだった。
とにかく、踊った事も無いダンスとやらをオーディションを受ける為にその課題曲を延々リピートしていて、
それしか聴いていなくてそれしか歌っていなくて踊ってばかりで
そのオーディションの為に先輩のライブに遅れそうだった。
そして、まあその数日後に別のオーディションも控えておりその台詞の練習にもいっぱいいっぱいだった。
それなのにしおりさんのライブへ向かったのはレコ発イベントであり、そのCDジャケットのアートディレクションを私が手がけていたからだった。
撮影は70たんだった。
いまもそのCDをかけてキーボードを叩いているのだけれど。
まあ、オーディションはツイキャスで配信されていて、その日のうちに落ちたのですけれど。
で、待ち時間には台詞の練習で台本を読み込んでいてまあ、そのオーディションも数日後受けたが審査料だけ払って落ちましたけれど。
なんかいっぱいいっぱいだったんですね。
で、なにやってんだろう、自分は。と。
で、爪の剥がれてもベースを弾き続けられたあの頃ってなんだっったんだろうって。
で、しおりさんとやっていたあの曲は今もっと輝いていて更に歌詞に心臓を刺されてぼろぼろ泣いていたんですよね。
最高だったんです。ライブが。
新宿から下北沢までタクシーを使ったって全然後悔しませんでした、だって、最高のライブを最後の数曲は聴けたのですから。
本当に泣いたのですよ。ぼろぼろと。
高校時代からずっと写真やバンドやってきた70たんもみおが泣いてるところを初めて見たと驚いていました。
私はそのまま感動の涙が号泣に変わり涙が止まらなかったんです。
本当に。
どうしようもなく。最高のライブ、最高のバンド、最高の曲。
ああ、本当に私はなにをやっているのだろう。と。
あ、いまちょうど泣いた曲が流れ始めました。
もうベースは忘れてしまって弾けないけど。
メロディはずっと覚えてた。
曲が、自分の事みたいで
ずっと泣いていた。
しゃがみ込んで泣いていた。
いろんなひとが心配して声をかけてくれた。
わたしには、あんなに最高な歌詞も曲も書けないし、歌えない。
じゃあ、私が歌えるものってなんなんだっけって考えて、泣いていたの。
そして、わたしは今夜もTHE LOVELYSさんのロックン・ガールを聴いて泣くの。