4人兄弟姉妹の中でも、長男のお兄ちゃんは跡取り息子だからいつでも特別。二つ下の妹は7つ下の弟が生まれるまで末っ子あつかいのの可愛いカワイイ。そしてほんとの末っ子の弟はもっともっとカワイイのアラシ。

そうして二番目で長女でお姉ちゃんの私はてぇと、「オネエちゃんなんだから」「オンナノコなんだから」あれもこれもの連発。

なんだかとってもソンだと思う。

たった一つ、このおっきぃお姉ちゃんが(トクしちゃった!)こと。


昭和30年代、バナナが今より高級果物だった頃。

戦中派の母は寂しい食卓が嫌いで、とくに子どもたちの食後の食卓に甘いものや果物を度々登場させていた。

時代の流通事情などから考えれば当たり前だけれど、果物は季節のもの。夏ならばスイカ、葡萄、秋は柿、冬になればミカン。

洋梨やパイナップルなどは店の宴会用デザートで、子どもの口に入るものではなかった。

そんな子どもが憧れるフルーツ。

元町商店街にあるスーパーマーケット「ユニオン」で一年中売ってる桃の缶詰。

もちろん時期外れでも洋梨の缶詰もある。

冷蔵庫で冷やし、缶切りで開けた途端に甘い果物が香る。

素晴らしく贅沢な気持ちになる瞬間。


季節の変わり目やちょっとしたことで熱を出して寝込むおっきぃお姉ちゃんは、

ここぞとばかりにワガママを言うことができる。

喉が痛いから、熱があるから、お粥なんて食べたくない。

「桃の缶詰」が食べたぁい!ウンと冷たくしてね!

あ、あんみつに入ってる甘い蜜柑の缶詰でもいい!

末っ子よりも甘えん坊になれひととき。