ダルマストーブのこと

横浜中華街、山下町から元街小学校に通う子は少ない。

2つ上の兄と2つ下の妹と、前田橋を渡る頃に近くの団地から2、3人。

小学校までは私たちの足で元町商店街を抜けて代官坂、そしてトンネルを通り20分、妹の足に合わせると30分。

急に寒くなって一枚上着を余計に着せてもらって小走りにいく。


10月の寒さよりも、もう少し寒くなれば教室でお楽しみが待っている。

当番が用務員のおじさんが準備してくれたコークスの入ったバケツを教室に運ぶ。先生が来て火をつけるとコークスが黒からオレンジ、そして赤々と熱を発していく。そうなれば木造のすきま風が肌寒い教室でも、セーターとスカートだけで大丈夫!

そうして給食の時間になれば、嬉しいことに先生がストーブの上でパンを焼かせてくれる。ほんのりあったまった食パンにマーガリンをのせるとスーっと溶けて、苦手な給食のパンがご馳走に見えてくる。

初秋10月、もっともっと寒くなぁれ、と歩いていた。




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