
色んなところで「いい!」と見聞きしていたので、
読んでみたかった本の中の1作品。
角田光代の「八日目の蝉」。
角田光代の小説は、いつもなんとなく薄ら怖い。
なんでだろ。
出てくる女たちの気持ちが、
境遇も生き方も性格も自分と違うとわかっているのに、
彼女達の気持ちに自分の気持ちが、いつの間にか添ってしまうからか。
感情の起伏の書き方が、ホント、わかるわかる!
って感じなんだよねぇ。
特にこの作品は不倫関係の末に起こった事件が軸だから
ヒステリックな部分も多いし。
評判がいいのも納得で、あっという間に引き込まれて
一気に読んでしまった。
事件を決して美しいものにはしないし、
人間のどろどろとした感情や弱さなんかもばっちり書いてるし、
読んでて楽しい気持ちになるわけではないんだけど。
でもすごく惹きつけられる。
それにね、小豆島の場面は本当に素晴らしくって!
匂いや風景が一気に目の前に飛び込んでくる感じ。
そういう描写もまた、うまいんだよねぇ。
それにしても女性が書く女性は恐ろしい。
女が女に向かって「あんたは空っぽのがらんどうだ」
なんて、多分男性は書けない。
凄い・・・。
最後の方に出てくる科白が印象的。
「私、自分が持っていないものを数えて過ごすのはもういやなの」
絶望と希望が同時に満ちた一言。
↑角田光代 「八日目の蝉」 中央公論新社
表紙のオンナノコのイラストが可愛い☆
