08-10-21-2


色んなところで「いい!」と見聞きしていたので、

読んでみたかった本の中の1作品。


角田光代の「八日目の蝉」


角田光代の小説は、いつもなんとなく薄ら怖い。

なんでだろ。


出てくる女たちの気持ちが、

境遇も生き方も性格も自分と違うとわかっているのに、

彼女達の気持ちに自分の気持ちが、いつの間にか添ってしまうからか。


感情の起伏の書き方が、ホント、わかるわかる!

って感じなんだよねぇ。

特にこの作品は不倫関係の末に起こった事件が軸だから

ヒステリックな部分も多いし。


評判がいいのも納得で、あっという間に引き込まれて

一気に読んでしまった。

事件を決して美しいものにはしないし、

人間のどろどろとした感情や弱さなんかもばっちり書いてるし、

読んでて楽しい気持ちになるわけではないんだけど。


でもすごく惹きつけられる。

それにね、小豆島の場面は本当に素晴らしくって!

匂いや風景が一気に目の前に飛び込んでくる感じ。

そういう描写もまた、うまいんだよねぇ。



それにしても女性が書く女性は恐ろしい。

女が女に向かって「あんたは空っぽのがらんどうだ」

なんて、多分男性は書けない。

凄い・・・。

女のわたしが言うのもなんだけど、女は怖い。そして強い。


最後の方に出てくる科白が印象的。

「私、自分が持っていないものを数えて過ごすのはもういやなの」


絶望と希望が同時に満ちた一言。



↑角田光代 「八日目の蝉」 中央公論新社

 表紙のオンナノコのイラストが可愛い☆