こんにちは。

朝晩の気温も下がりだんだんと秋めいてきましたね

今日は混合ワクチンについて色々と書いていきたいと思います。

ミンティドッグでは、初回受付時に、ワクチン証明書を見せてもらい、ワクチン接種の確認をしています。

初めてご予約の方でたまにこんな反応が・・・

「仔犬の時しかう打ってない。」

または

「最近打ってない。」

酷い場合は、

「何それ?」

こういう場合は、

「それでは病院で接種して頂いてからのご利用でよろしいでしょうか。」

と、お願いしますが、

「ちょっと考える。」とか「また電話する。」

と言った反応が多く、その後は音沙汰無しになってしまいます

愛犬の為に、気づいた時点で打って欲しいところですが、多分ワクチンの重要性を認識していないから、このような反応になってしまうのではないでしょうか?

さて、犬が接種するワクチンは、法律で接種を定められている“狂犬病ワクチン”と、そうでない“混合ワクチン”の2つが一般的です。

今回“混合ワクチン”について掘り下げて書いていきたいと思います。

混合ワクチンは、3種混合~9種混合ワクチンがあります。

混合ワクチンで予防できる病気は、

「ジステンパー」

「パルボウイルス」

「犬伝染性肝炎」

「犬伝染性気管気管支炎(パラインフルエンザウイルス、犬アデノウイルス2型)」

「コロナウイルス」

「レプトスピラ症」

となります。

これらの病気は何故ワクチンをうたなきゃ?と、疑問に思うでしょう。

やはり一番の理由は、

“根本的な特効薬が無い”

事でしょう。

故にこれらの病気にかかった時は症状にあわせた対処療法しか無いため、抵抗力や体力の無い個体が感染した場合、重篤な状態になる事が多く死亡率も高いです。

2番目の理由として、発症しなくても

“キャリア”(病原菌の保持者)

になる事です。

もちろん、キャリアなので元気でも病気を撒き散らす事になります。

ワクチン予防が切れている状態で、このキャリア犬と接触があった場合、病気をうつされることになります。


現在は、ほとんどのペットショップやペットサロンで、利用の際にワクチン接種の確認をしています。

ワクチン接種の確認をしていないお店があった場合、ワクチン未接種の犬の割合が高くなります。

このようなお店は病気の感染率も高くなります。

自分の愛犬が可愛いのであれば、このようなお店を利用する事は避けた方がいいでしょう。

また、お散歩で感染をする事もあります。

犬の習性で、他の犬の排泄物の匂いを嗅いだり、なめたりする事があります、このような時に感染します。

お散歩する犬はワクチン接種は必須です。

これらのワクチンで防げる病気の知識を飼い主さんに伝える事は、お店側として必ずしなければいけません。

愛犬の健康と命を守るのは、飼い主さんと、お店の役目です。

ワクチンは打ちましょう。

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詳しい病気の説明は以下を読んでください。

「ジステンパーウイルス」
<感染経路>
患犬の鼻汁などを介した飛沫・接触感染である。免疫機能の低い子犬や老齢犬は、特に感受性が高い

<症状>
初期:感染後3-5日で急性の発熱がみられる。最初の発熱は比較的短期間で収束するが、数日の間隔を置いて第二期の発熱が始まり、少なくとも1週間は継続する
中期:ウイルスの全身拡散に伴い、結膜炎、鼻水、激しい咳、血便を伴う下痢が続発する
末期:ウイルスが神経系に達し痙攣や麻痺など神経症状を示し死亡する。致死率は90%
<治療>
犬ジステンパーに特異的な治療法は無く、一般的に予後は悪い

「パルボウイルス」
<感染経路>
イヌ科の動物同士の接触により感染する
ウイルスを排泄しているイヌとの接触など、糞便や吐物及びそれらの飛沫、粉塵を経口・経鼻摂取することで感染が成立する。不特定のイヌが多数集まる公園やペットショップ、動物病院などに感染力を保持したままウイルスが存在した場合、靴や服、被毛に付着し、人間や他の動物によって運ばれることもある。そのため屋内飼育で他のイヌとの接触がないからといって感染する可能性を否定することはできない

<症状>
初期:2~12日間の潜伏期間の後に発症する。4~6週齢以降では、このとき食欲不振、元気消沈、嘔吐、などの症状が現れ始める
中期~末期:血流によって全身に行き渡ったウイルスは、下痢、特徴的な水様性粘血便(トマトジュース様)を呈し、加えて骨髄細胞の破壊が進行することによる白血球数の激減によって、腸内細菌の日和見的な感染を防御することができなくなり、敗血症に至る。同時に、腸粘膜下織の毛細血管の破綻による出血などの要因が重なってDICが惹起され、多臓器不全により斃死する

<治療>
現在のところ特効薬がない
体力や抵抗力に余裕があれば、適切な対症療法を行うことで、発症後5~7日程度で免疫が獲得されるため自然回復する。 ただし生後2~3か月程度までの若齢犬では、ストレスの多い環境、消化管内寄生虫、犬コロナウイルスの同時感染などの要因が重なることによる免疫力低下が二次感染を引き起こし、死に至ることが多い

「犬伝染性肝炎」
<感染経路>
感染動物の糞尿、唾液を介して経口、経鼻的に感染
成犬では感染した場合、発症せずキャリアになる事が多い

<症状>
発熱、下痢、嘔吐、腹痛などを示し、肝臓の腫脹が認められる

<治療>
対症療法

「犬伝染性気管気管支炎」
<感染経路>
飛沫感染、接触感染
主な病原体は犬アデノウイルス2型、犬パラインフルエンザウイルス、犬ヘルペスウイルス、気管支敗血症菌、マイコプラズマなど

<症状>
乾性、持続性の咳が主症状であり、発熱、漿液性鼻汁
二次感染を起こすと重症化

<治療>
抗菌薬、気管支拡張薬、鎮咳薬などの対処療法

「コロナウイルス」
<感染経路>
感染した犬の糞便を口にしてしまうことで感染

<症状>
軽い下痢や食欲の低下、嘔吐
仔犬が感染した場合重症化

<治療>
脱水対策として電解質液による支持療法

「レプトスピラ症」(人畜共通感染症)
<感染経路>
排泄物を経由して汚染された水や土壌から経口・経皮的に感染

<症状>
出血、発熱、嘔吐、血便、口腔粘膜の潰瘍、黄疸、腎炎、出血傾向などの症状

<治療>
主に抗生物質を使用