1938(昭和13)年5月12日未明、岡山県苫田郡西加茂村(現津山市加茂町)で、21歳の都井睦雄という青年が、猟銃と日本刀で近隣の家々を襲撃し、28名が即死、5名の重軽傷者を出した事件で、うち2名は12時間以内に死亡して、一挙に30人を殺害したことになり、これは2019年の京アニ事件の36人殺害事件が起こるまで、1人の犯行による史上最多の殺人事件となりました。
犯人の都井は山中で自殺します。
犯人の都井睦雄は両親と祖父を結核(労咳)で亡くしたことから、労咳筋として村から差別を受け、また自身も肋膜炎と肺結核を患うことで、徴兵も丙種合格(兵隊として役に立たない)と判定され、一層村の中で差別され孤立していたことが動機と思われるが、被害者がほぼ殺されたことと、犯人も自殺したことで証言が少なく、立証されてはいません。
当時岡山県に疎開していた作家の横溝正史が、この事実を知り、戦後この事件をモチーフに名作「八つ墓村」を執筆しています。
また西村望の「丑三つの村」も、この事件を題材にしたドキュメンタリー小説で映画化もされています。
ドキュメンタリーとはいえ、この作品ではこの村に残る夜這いの風習をもテーマに据えられており、この映画では当時22歳だった女優の田中美佐子のオールヌードシーンが衝撃的でした😍が、実際に被害者たちと都井の性的関係性については現在では否定的な意見となっているそうです。
津山駅ホームにて。
切り絵 「八つ墓」河童洞
実際の都井もこのような足にゲートルを巻いて地下足袋で、頭にナショナルの懐中電灯を2本角のように差した姿だったという。