江戸時代の岡っ引き(御用聞き・目明かし・手先)はサムライ(武士)ではない。
テレビドラマ「銭形平次」より岡っ引きの平次親分(大川橋蔵 右)
岡っ引きは武士である町奉行所同心の元で捜査に協力する町人で、中には元犯罪者も多かった。
劇中でも武士の証となる両刀は束(たば)さんではいない。
服装も羽織りは着ているが着物は尻っ端折りで、走りやすいように股引きを穿いている。
武器となるのは十手(じって)であるが、時代劇で見られるような房が付いた物を岡っ引きが持つことは許されなかった。
非公式な奉行所の(というより同心の個人的な)協力者だったため、俸給などは出ず、たまに同心から小遣いをもらう程度で、しかも岡っ引きは数人の子分を抱えていたので、岡っ引き自身と、子分も別に職業を持っていたり、妻(おかみさん)に商売をやらせたりしていた。