学生時代のコンパ、毎度お馴染みのサークル「観光事業研究会」でのものだったと思いますが、京都四条辺りの割と大きな飲み屋さんで入れ込みの座敷で、ワイワイ飲んでいた時のこと。
入れ込みの大広間なので、私たちグループだけでなく、いくつものグループが、それぞれにさんざめいていました。
写真はお借りしました
そしていよいよ宴も終わり、解散ということになりました。(と、いってもほとんどが2次会に居流れるのですが)、そこで私が自分の靴を履こうとすると、私の革がボロボロになってくたびれていた靴がないではありませんか⁉️
私だけではなく、仲間たちも必死になって探しますが見当たりません。店の中居さんも一緒になって探してくれますが、無い物は無いのです。
そして念の為に先に帰った隣のグループがいた場所の下足箱を探してみると、ほぼ新品のリーガルのデッキシューズが一足残されているではありませんか![]()
写真はお借りしました
思うに隣のグループ(やはりどこかの学生団体でしたが)が帰る時に、泥酔して正体を失った男の靴がわからなくなったのでしょう。
それで、その場にいた仲間が、盗んでも一番良心が痛まないようなボロ靴を履かせてみたところ、なんとか履けたようなので、そのまま私の靴を履いて連れ帰ったのだろうという結論に達しました。
挙句には中居さんまでが「もういいですから、それを履いてお帰りください」という始末です。
(まぁ中居さんといってもバイトの女子学生なんでしょうし)
靴べらを借りて履いてみると、多少キツイもののなんとか履けたので、やむなくそれを履いて次の店に向かいました。なにせそれが無ければ裸足で下宿まで帰らねばなりません。
しかし、さすがに高級靴のリーガルです。
履き続けているうちに革が伸びて、やがて私にピッタリなサイズになり、その後何年も愛用することができました。「海老で鯛を釣る」とはまさにこのことだと思いました![]()
付記 ちなみに、この「パクり」という言葉の語源は、大正時代に窃盗犯を捕らえて留置場に叩き込んだら、パク(朴)さんとリ(李)さんばかりだったという、朝鮮系在留民を揶揄した言葉という話がありますが、これは誤説で、大きな口を開けてパクッと飲み込むように盗み取ることからできた言葉とされています。



