今から50年近く前の中学校時代、私は吹奏楽部でユーフォニアムという比較的マイナーな楽器を吹いていました。
縦抱きの中低音パートを担当する中型の金管楽器です。©️響けユーフォニアムよりお借りしました
私たちの中学は私の入学と同時に転任して来たナカジマ先生が実力者で、それまで吹奏楽コンクールとは無縁だった吹奏楽部をわずか2年で地区大会金賞受賞、全道大会出場にまで引っ張り上げました。
そうして翌3年生になったある夏の日、連覇を目指して秋の大会に向けて毎日の厳しい練習に打ち込んでいました。
確か課題曲の練習中だったと思います。
「ポップス描写曲 メインストリートで」という曲で、その名の通りポップス調でノリノリで演奏していたところ、私はいきなり何者かに後頭部を激しく殴打されたのです
ナカジマ先生は普段はユーモラスで楽しい顧問ですが、激怒すると指揮棒をへし折ったり、譜面台を蹴倒すほど過激な所がある先生でしたが、それほど怒られるようなミスをした覚えもなく、何より先生は熱心に指揮を続けています。
皆の演奏も滞りなく続いていましたので、私だけ中断するわけにもいかず、痛いのを我慢して演奏を続けていました。
ようやく曲が終わり、痛む後頭部をさすりながら背後を振り返ると、真後ろにいたトロンボーン担当のノブオがしきりに拝むような手付きをして頭を下げているのです。
彼は演奏中に力余って、トロンボーンのスライドパイプを最大限に伸ばした状態で迂闊に手を離してしまい、そのパイプがモロに私の後頭部を直撃したのです。
目から火花が散るというのはまさにこのことだと思いました。
無事に全道大会に進出した私たち。上から2段目の右から2人目、シルバーのユーフォニアムが私。その真後ろ1段目にいるのがノブオスライドパイプを構えているのがよくわかります🤣
当時のマウスピース(吹き口)はまだ大切に持っています。銀が入っているのですっかり黒ずんでしまいました。