人間腸詰 | われは河の子

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 人間腸詰(にんげんそうせいじ) 夢野久作 昭和11年 角川文庫 昭和53年


 表題作を含む夢野久作最晩年の短編小説8編を含む。

 ユーモア混じりの一人称文体の中に、戦慄すべき物語を封じ込めた「人間腸詰」や「悪魔祈祷書」が、ドグラ・マグラに代表される彼の風刺を込めて人間社会を描写しているのに対して、「戦場」が、一切のユーモアを排し、第一次大戦のドイツ軍の西部戦線における極限状況と狂気を描き、執筆された昭和11年という時代における強烈な反戦小説となっているところに大きなインパクトがあり、おぞましい内容ながら大好きな一編である。