瓶詰めの地獄(元ネタあり) | われは河の子

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瓶詰めの地獄 夢野久作 昭和3年

 角川文庫 昭和52年


 別に丁稚時代の砂漠和尚がネコババしようとしたいわく付きの小銭が詰まった広口瓶の物語ではない。





 南国の離れ小島に数年前に漂着した二人の兄妹が、世にも戦慄すべき地獄に出会った有り様を、ビール瓶3本に込められた書簡という形でわれわれの前に展開する。

 他に帝政ロシア、ロマノフ王家の悲劇をウラジオストク駐留の日本陸軍軍人と、彼に物語る一介の風来坊に綴る名作「死後の恋」を含む短編全7編は、夢野の狂気と浪漫を伝えて止まない。