久保田早紀「異邦人」
言わずと知れた大ヒットした名曲で、その後も多くのアーティストによってカバーされました。
発表後40年以上経っても色褪せないまさに名曲です。
あまり知られていませんが、この曲には実は2つのバージョンがあり、ひとつは彼女のデビュー曲でもあり、「異邦人 シルクロードとテーマ」として当時サンヨーのテレビのCMに使われました。これがオリジナルになります。
しかし原曲は、彼女が通学中の中央線国立駅周辺を通った時のイメージで作曲したものを、プロデューサーの指示により、エスニック調に改め、歌詞もタイトルも変えたそうです。
彼女を世に送ったこの音楽プロデューサーは、前年ジュディ・オングが歌った「魅せられて」が大ヒットしたので、その路線を踏襲したそうです。
しかしこの歌が大ヒットして瞬く間に全国区に駆け上がった彼女ですが、彼女自身はこのオリエンタル風は気に入らなかったそうです。
父親が海外駐在が長く、駐在先から様々な現地のカセットテープを送ってもらって聴いていた彼女が、最も好きだったのが、ポルトガルの民族音楽ファドでした。
そこで彼女は3枚目のアルバム「サウダーデ」の中でポルトガルで録音されたファドバージョンの「異邦人」を採用しました。
オリジナルより哀愁に満ちています。
なおサウダーデとはポルトガル語で「思慕」とか「憧憬」とかの意味だそうです。
これらの話はWikipediaを基に、私が「サウダーデ」発売時の久保田早紀さんのコンサーで直接聞いた話を加味しています。
私はオリジナル曲の大ヒットで彼女が引っ張りだこだった時期、私の京都での浪人中にどこかの大学の学園祭に呼ばれて、京都会館で行われた彼女のコンサートに初めて行ってからずっとファンでいます。