最近また新しいフォロワーさんが増えて来たので、改めて私がやっているSCS(脊髄刺激)療法についでご紹介したいと思います。
私は2017年10月16日、営業先のお客様宅で突然の脳出血の発作に襲われて倒れ、そのまま救急車で現在入院している札幌市東区のA脳神経外科病院に搬送されました。(まもなく発症6周年を迎えることになります。)
からくも一命は取り留めたものの身体障害1級という重い片麻痺の後遺症が残りました。
当日撮影された脳のMRI写真です。右脳の被殻出血で、黒い部分が出血部分です。
倒れた瞬間から身体の左半分がまったく動かなくなりましたが、リハビリを重ねることで、脚は少しずつ動くようになりましたが、医師からも作業療法士からも左手は廃手であることを告げられ、機能全廃と認定されました。
結果A病院にはそのまま半年間入院してなんとか自宅での生活が可能になった状態で退院したのですが、発症後二月ほどしてから麻痺側の手脚に焼けつくような痺れと痛みを感じるようになりました。視床痛(脳卒中後疼痛)の発生でした。
当時のブログがこれです。
脳卒中発症から数ヶ月後ないし数年後に麻痺側に我慢できないような痛みが発生することがあり、脳卒中後疼痛と呼ばれます。脳の中央部にあり、大脳の感覚を入力する機能を持つ視床をやられた時に起こる場合が多いのでかつては視床痛という名で呼ばれていましたが、私のように被殻や他の部位でも出ることにより現在はこう呼ばれるようになりました。
難治性の耐え難い痛みが続き、何より難点は普通の鎮痛剤のみならずいわゆる医療用麻薬も効きにくいという点です。絶え間ない痛みから抑うつ傾向に陥り自死念慮が高まる危険性もあります。
私は脚にも手にも傷を負ったわけではありません。患部が無いのに強烈に痛むのです。脳のミス、感覚の勘違いだと説明されます。
脚を切断した方が、無くなったはずの脚に痛みを感じる幻肢痛と同じようなものです。
私の場合左脚と顔面の痛みがひどく、家で車椅子に乗っている時、隣りを家族が歩いて巻き起こす風が顔にあたっても痛むので、顔に風除けの頭巾を被っていました。
そこで対処方法として選択したのがSCSです。
脊髄に微弱な電気刺激を流すことにより、末梢神経から脊髄を通って脳の中枢神経に伝わる痛みの信号(生体電気信号)をブロックしてしまおうというものです。
約40年前から行われ、世界でおよそ25万人が実施しています。
日本では1992年に健康保険適用になっています。
方法はまず腰から背骨(脊髄)の外にある脊髄外腔という隙間に先端に電極の付いたリード線を挿入します。ここで一度外部から電気を流し、身体に電気が伝わっているかを確認します。その後効果が出るのを待って、効果が確認できたら改めてバッテリー内蔵の本体機械を埋め込む本手術に進みます。
つまり本格的な埋め込みをする前にお試し(トライアル)手術を受けて効き目を確認することができるのです。
私はこのトライアルだけで劇的に痛みが減りましたので、安心して本手術に臨むことができました。
手術後の私の体内レントゲン写真。左下骨盤横に機械が埋め込まれ、そこからリード線が脊髄上方に伸びていることがわかります。リード線先端の黒いミシン目が電極です。
本体バッテリーは充電式ですが、私の手術前のネット情報では電池寿命が数年しか保たず、都度入れ替えだと言われていましたが、私が入れた機種から電池寿命が無くなり、私が死ぬまで使えるそうです。
オンオフや刺激強度の調整などは手元のスマホ大のコントローラーで行います。さらにこのコントローラー自体がモバイルバッテリーになっています。
ですから体内の本体機械への充電は、充電器(リチャージャー)をこのコントローラーに繋ぎ、ドーナツ状に話になった先端部を肌の上から当てるだけで体内の機械に充電されます。
コントローラー(左)と充電器(右)
しかしこの療法の欠点はすべての人に適合するわけではないという点です。私の場合は痛みのおよそ7割が軽減しましたが、中には合わない人もいます。
ほんの数日私の先輩に当たるちびさんは残念ながら手術後も激しい痛みに悩まされていますが、知らない人のためにこの療法を普及しようと、発信活動をしています。
そして根治療法ではないので、痛みがゼロになることもありません。また今年の私のように、てんかんにコロナという新たな疾病に罹って体力や抵抗力がダウンするとたちまち痛みが戻りがちなことには留意する必要があります。
まだまだ普及が遅れ、知る人ぞ知る療法なので、医療関係者でもご存知のない方も多いです。
私はこのA脳神経外科で手術をしましたので、もちろんここの看護師さんたちは知っています。(先日、この春配属された新人看護師のGさんが『みんつちさん、SCSの充電見学させてください』と言って私の元に来ましたが、春に転院したH病院では看護師もリハスタッフも誰もSCSのことを知りませんでした。)
ですから私は自分の講演の時には必ずこの療法について触れ、陰ながら認知度を上げ、普及に努めたいと思っています。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。






