旧字旧仮名遣い | われは河の子

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 昨日、メルカリで発注した本が届きました。

 哲人 中村天風が著した「練身抄」といういわゆる健康法についての本です。

 日清・日露の両役に軍事探偵として活躍するも戦後奔馬性結核という当時の死病を患い、世界各国の知識を訪ねて得るものがなく、たまたま船中で巡り合ったヨガの高僧に導かれヒマラヤ山中で修行し、ついに悟りに至って健康を取り戻して帰国途中孫文の辛亥革命に協力して巨万の富を得て帰国して銀行経営を始め多くの実業経営に乗り出すが、自身の経験から編み出した心身統一法を辻説法から始めて、東郷平八郎、原敬、山本五十六ら軍人・政治家からナショナルの松下幸之助、京セラの稲盛和夫などの経済人、など数十万人もの弟子を育成した哲人天風師が昭和24年に著した昭和58年の二十六版ですが、初版時そのままの旧字旧仮名遣いで書かれているので、古典にはある程度慣れているとはいえ、まぁ読みづらいことこの上もありません。


 日本で最初のヨガ行者である天風先生は、アメリカのコロンビア大学で医学を修められた医者でもありましたので、その記述内容は哲学的であると同時に科学的で当時の欧米の最新論文からの知識も散りばめられております。


 しかし、不遜な言い方を許していただけるのなら、その情報はほとんど私の知るところでありました。


 というより、私が高圧をはじめとする各種の民間医療機器業界で習ったトークや、教えられた研修、与えられた資料・書籍は、そのほとんどをこの天風先生の書籍をベースにしていたことが如実に分かりました。業界全体をパクリに走らせたネタ本に巡り合えたことは、幸運でした。


 かといって、25年前にこの本を読んでいたら、当時の私の営業成績が飛躍的に伸びていたか?と考えるとそういうわけにも行かなかったと思います。行間紙背に込められた人生の機微に気がつくほど、その頃の私は人間ができていませんでしたから。

 もちろん20代でも、現在の大谷翔平選手のように天風哲学に私淑して大成功を収めている人物もおりますけど。

 60代になった私は人間として出来上がるより、河童としての妖しさを増すばかりのような気がします。